[名古屋 15日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は15日、名古屋市で開催された金融経済懇談会後の会見で、物価上昇率が1%になっても金融緩和措置を緩めたり撤回したりすることは考えていないと述べた。また、現在の外為市場での円安について「特に(経済に)マイナスになっているとはみていない」と語った。
黒田総裁は午前のあいさつで、消費者物価は来年半ば頃に1%程度まで徐々に上昇率を高めていくとの見方を示しており、会見では、その局面になった時、マイナス金利や長期金利目標を見直す可能性があるか聞かれた。
11月2日には、山際大志郎経済再生担当相と鈴木俊一財務相、黒田総裁が会談し、2013年1月の共同声明に沿って、日銀は2%の物価安定目標の達成を目指すことを再確認していた。
黒田総裁は、円安は円建ての原材料コストを押し上げる面もあるが、輸出金額や海外子会社の収益を押し上げるという効果もあると指摘。円安が経済に及ぼす影響を評価するには、プラスマイナス双方の影響を総合して考える必要があると述べた。
(和田崇彦、杉山健太郎 編集:田中志保)