[フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事兼チーフエコノミストは10日、パンデミック(世界的大流行)に関連したボトルネックが解消されれば、ECBによる大幅な引き締めなしにユーロ圏のインフレ率はトレンドに回帰すると述べた。
ブログで「ボトルネックはいずれ解消されるため、金融政策を大幅に調整しなくても物価上昇圧力は弱まり、インフレ率はトレンドに回帰する」と指摘。ボトルネックは世界的な供給の混乱や需要の急増など主に外的要因によって引き起こされており、「外部からの供給ショックに対応して、内需のかじを取る金融政策を引き締めることは経済が同時に2つの有害なショックに直面することを意味する」と語った。
一方、ECBのデギンドス副総裁はイベントで、1月に5.1%に達したユーロ圏のインフレ率は、年内にECB目標の2%を下回ることはないと言及。2022年のインフレ率が平均で3.5%になるとのECB予測を支持したほか、ユーロ圏の賃金上昇は現時点でインフレに追いついていないが、パンデミックにより賃上げ交渉が遅れているだけかもしれないとした。