[東京 27日 ロイター] - 日銀が27日発表した2021年度決算によると、最終利益にあたる当期剰余金は前年度比1054億円増の1兆3246億円となった。01年度以来の高水準。当期剰余金から法定準備金と配当金を差し引いた国庫納付金は1兆2583億円だった。
経常利益は前年度比4421億円増の2兆4185億円と、現行の日銀法が施行された1998年度以降で最高となった。為替円安に伴って外国為替関係損益の益超幅が拡大したほか、上場投資信託(ETF)の分配金増で運用益が増加した。
地域金融強化のための特別当座預金制度の支払利息は647億円だった。
21年度末の自己資本比率は9.29%で、前年度末の8.87%から上昇した。
総資産残高は前年度末比3.0%増の736兆2535億円で過去最高となった。
貸出金が、新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペ等の増加から、前年度末比20.4%増の151兆5328億円となった。
国債の保有残高は526兆1736億円と前年度末比1.1%減少。長期国債の残高が増えた一方、短期国債の償還が進んだ。残高が減少したのは08年度以来13年ぶり。このほかETFが同1.9%増の36兆5657億円、J━REITが同0.1%減の6661億円となった。
3月末時点で保有していたETFは時価ベースで51兆3109億円。前年度末の51兆5093億円から減少した。含み益は14兆6854億円と、前年度末の15兆4444億円から減少した。
(杉山健太郎 編集:石田仁志)