[東京 17日 ロイター] - 岸田文雄首相は17日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し宗教法人法に基づく質問権を行使すると表明した。消費者庁の検討会が同日、解散命令請求も視野に質問権の権限を行使する必要があると提言。政府の電話窓口に金銭トラブルなど1700件以上の相談が寄せられたこともあり、実態把握のため調査を進める。
岸田首相は午前の衆議院予算委員会で「国民の政治への信頼を傷つけたことを率直にお詫びしなければならない」と答弁。「社会的に問題が指摘されている団体に関し、政府として宗教法人法を含め、関係法令との関係を改めて確認しながら厳正に対応する」と語った。宮崎政久委員(自由民主党)の質問に答えた。
報告聴取・質問権を行使する基準を明確にするため、文部科学省が専門家会議を設置し、25日にも検討を開始する。永岡桂子文部科学相は「その基準に則り、宗教法人審議会に意見を聞いた上で、行使すべく手続きを進めていく」と述べた。
消費者庁が設置した「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」はこの日公表した報告書で、「旧統一教会については社会的に看過できない深刻な問題が指摘されている」とし、「解散命令請求も視野に入れ、宗教法人法第78条の2に基づく報告徴収及び質問の権限を行使する必要がある」と提言した。
(和田崇彦、久保信博編集:石田仁志、田中志保)