[バンコク 6日 ロイター] - タイ商務省が6日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.53%上昇となり、伸び率は4月の2.67%から大幅に鈍化し、21カ月ぶり低水準となった。ロイターがまとめた市場予想の1.70%も大きく下回った。
5月のインフレ鈍化はエネルギー・食品価格の下落とベース効果(前年の大幅上昇の反動)が要因とみられる。
CPIがタイ中央銀行のインフレ目標レンジ(1─3%)を下回るのは21カ月ぶり。(訂正)
5月のコアCPIは前年比1.55%上昇。市場予想は1.6%上昇、4月は1.66%上昇だった。
商務省担当者は会見で、6月CPIは前年比で低下すると予想。商品・エネルギー価格の下落に加え、ベース効果が要因となると指摘した。
「インフレ率は今後数カ月0.5%を下回る可能性があり、0%になる期間もあるかもしれない」と述べた。
総合インフレ率は第2・四半期に前年同期比1%強に、第3・四半期と第4・四半期はこれよりも低くなると予想されている。
商務省は今年の総合インフレ率を1.7─2.7%と予想しているが、同省の担当者は来月見直すとした。
1─5月期の総合インフレ率は前年比2.96%、コアインフレ率は1.98%だった。
タイ中央銀行は先週、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ2%とした。カシコン銀行の資本市場調査部門を率いるKobsidthi Silpachai氏は追加利上げの可能性は低くなったとの見方を示した。
インフレ率が目標の1─3%を下回っていることから、近く追加利上げに踏み切るのはかなり難しいと述べた。