[ストックホルム 29日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は29日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ3.75%とした。市場予想と一致した。また、国債売却のペースを速める方針も明らかにした。
ロイターのアナリスト調査では、全員が25bpの利上げを予想していた。
中銀は声明で、政策金利を今年少なくともあと1回は引き上げる見通しを示した。
スウェーデンクローナは不安定な動きとなり、一時最安値を付けた後、声明発表直前と同じ水準に戻っている。
スウェーデンのインフレ率は低下が始まっているが、5月は6.7%と依然中銀の目標(2%)を大幅に上回っている。
前回4月の会合での利上げ幅は50bpで、中銀は6月か9月にさらに25bp引き上げる方針を示していた。
ハンデルス銀行のアナリストノートは「中銀は4月はハト派的だったが、今回はタカ派の顔を示した。当社は9月と11月に25bp、あと2回の利上げがあるとの予想を維持している」としている。
市場は政策金利が年末までに4%まで引き上げられると見込んでいる。
中銀はまた、財務リスク軽減で一部の外貨準備のヘッジを検討していると明らかにした。
会見した中銀のテデーン総裁は、これについて、為替介入を示唆していると受け止めるべきではないと発言。「これは隠れた為替介入ではない。われわれは為替介入には非常に懐疑的だ」とし、通常のリスク管理だと述べた。
SEBは、規模は控えめでクローナの下落傾向を止める公算は小さいが、クローネ安が中銀を圧迫しているサインであり、追加措置が予想されるとしている。
また中銀は、9月からの国債売却加速化が通貨上昇に寄与するとの見方を示したが、さらなる引き締めが必要になれば政策金利引き上げが「主要かつ最も効果的なツール」と明言した。
世界の中央銀行は過去1年利上げを続けてきたが、さらなる引き締めの必要性を巡りインフレと成長リスクのバランスを見定めようとする動きがみられる。
米連邦準備理事会(FRB)は利上げを停止したが、年末までにさらなる引き締めがあると予想。欧州中央銀行(ECB)も追加利上げ見通しを示している。
スウェーデンでは、経済は好調だが、家計や商業不動産を扱う企業の債務は積み上がり金利の変化に非常に敏感になっていることから、中銀は難しい選択を迫られている。