[ミラノ 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は5日、ECBは金利をさらに引き上げるのではなく、適切な水準に十分な期間維持することによってインフレ率を目標に沿って回帰させることができるとの認識を示した。
イタリア銀行協会(ABI)年次総会で講演し、金利は制約的な領域に達していると指摘。追加利上げよりも、金融引き締めの期間を慎重に決める方がこれまでの利上げ効果を評価できるという利点があると述べた。
ビスコ氏は10月末でイタリア中銀総裁の任期が切れる。ECB理事会内では最もハト派的なメンバーの一人とみられている。
総裁は「引き締めを減らすより強化するリスクの方が望ましいという最近の発言は理解できず、今も同意できない」とECBのタカ派メンバーを批判。
「強い警戒と堅実な路線を維持する必要はあるが、昨年以降導入されている金融引き締めの影響を評価し予想するため、慎重さと忍耐も大いに必要だ」と述べた。