[香港 6日 ロイター] - 中国と香港の債券相互取引制度「ボンドコネクト(債券通)」が今週、開始から6年を迎えた。ANZは、対外投資の機会を求める国内投資家が増えており、ボンドコネクトは香港が債券市場をさらに発展させる機会を提供していると指摘した。
6日付のリポートでANZは「米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止する兆候は見られない。これは香港が提供商品を拡充して債券資本市場の魅力をさらに高める機会を提供する」と指摘した。
景気支援に向け中国はさらに10ベーシスポイント(bp)利下げすると予想。一方で米国は1980年代以降で最も積極的な利上げサイクルにあり、内外金利差が拡大、長期化すると見ている。
香港は中国最大のオフショア人民元取引拠点として、ボンドコネクトを拡大し、他の外国通貨や準ソブリン債など、取引対象を拡大すべきだと指摘した。
ボンドコネクトは、香港から中国本土への取引「北向通」が先行して始まった。中国本土投資家による香港市場での取引「南向通」は2021年9月に始まったが、取引量は拡大している。
ANZによると、南向通を通じた本土投資家のオフショア債保有額は5月末時点で6250億元(862億6000万ドル)で、中国の銀行による外債投資の3分の1を占める。投資対象の債券はオフショア人民元建て、香港ドル建て、米ドル建て。
一方、外国人投資家が保有するオンショア人民元建て債券は、中国銀行間債券市場の2.5%にとどまる。