［北京 １３日 ロイター］ - 中国税関総署が１３日発表した６月の貿易統計によると、輸出は前年比１２．４％減少、輸入は同６．８％減少でいずれも予想以上に減少した。
ロイターがまとめたエコノミストの予想は輸出が９．５％減、輸入は４．０％減だった。
中国経済はゼロコロナ政策解除を受け第１・四半期に力強い回復を見せたが、その後減速している。
輸出の落ち込みは３年以上前の新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）初期以来の大きさだった。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、Zichun Huang氏は「モノの需要が世界的に低迷しており、今後も輸出の重しになるだろう」と指摘。輸出は一段と減少した後、年末にかけて底入れする可能性が高いと述べた。「外需減少の最悪期は恐らく過ぎた」との見方も示した。
税関総署の報道官は会見で輸出の落ち込みについて「世界経済の回復の弱さや貿易と投資の減速、一国主義や保護主義、地政学的情勢が要因だ」と説明した。
上半期は米国向けの輸出が主要輸出先で最も落ち込んだ。半導体技術などを巡る米中関係の緊張が背景。ロシア向けの輸出は急増した。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は「輸出の低迷とデフレ圧力を受けて刺激策を求める声が強まるだろうが、大規模な支援策は見込めない。財政に制約があるためだ」と述べた。
中国の輸入の先行指標とされる韓国の対中輸出は６月に１９．０％減と、昨年１０月以降で最も小幅なマイナスにとどまったが、電子製品の製造に使用される半導体など部品の需要が依然として弱いことを示した。
中国の６月の半導体輸入は１３．６％減。５月は１５．３％減だった。部品を輸入して完成品を再輸出する意欲が限られていることが浮き彫りになった。
原材料の需要も低調で、６月の銅輸入は前年比１６．４％減少した。
中国税関総署のデータに基づくロイターの算出によると、６月の対米貿易黒字は２８７億２０００万ドルと、５月の２８１億６０００万ドルからやや拡大した。
１─６月では１５１４億４０００万ドルとなった。
税関総署によると、人民元建てでは６月の輸出は前年比８．３％、輸入は２．６％それぞれ減少した。
国泰君安国際のエコノミスト、周浩氏は「対外部門が直面する逆風は依然として強く、内需に対する政策支援が必要だ」と述べた。