[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリア政府は、外国投資審査委員会(FIRB)の勧告を受け、中国関連企業によるリチウム鉱山会社アリタ・リソーシズの買収を阻止した。チャーマーズ財務相の報道官が21日明らかにした。
オーストラリアは世界のリチウムの約半分と、電気自動車や防衛関連品に使用されるレアアースなどを多く輸出。サプライチェーンの中国依存を減らし多様化を図る世界的な流れを受け、米国や同盟国との取引拡大を目指している。
FIRBが重要鉱物を巡り中国関連資本の投資を認めなかったのは今年2例目。
財務相は、オーストロイド・コーポレーションがアリタ・リソーシズの株式90.10%を追加取得して出資比率を100%とすることを禁じる命令を出した。
米国を拠点とするオーストロイドの現地法人であるオーストロイド・オーストラリアも、アリタを完全買収する提案を禁止されている。
オーストロイド・オーストラリアの取締役は、中国の鉱業界で経験を積んだ中国人であることが会社側の提出書類に示されている。