[北京 11日 ロイター] - 中国は、地方政府のインフラ投資会社である融資平台(LGFV)の債務などバランスシートに掲載されない債務を返済するために地方政府が債券発行を通じて約1兆元(1400億ドル)を調達することを認めると、米ブルームバーグ・ニュースが複数の関係筋の話として11日に報じた。
この「借り換え債」プログラムについて財政省が関係当局に通知したという。また、地域ごとに割り当て枠が設定されている。
国際通貨基金(IMF)の推計によると、LGFVの負債総額は66兆元(9兆1000億ドル)で、報じられている債券発行規模は負債総額の1.5%にとどまる。
中国指導部は先月、詳細を明かさず、地方債務リスクに対処する「一連の措置」を通じて地方債務を軽減すると表明。地方政府のデフォルト(債務不履行)が広がり金融セクターの不安定化につながる可能性への懸念をうかがわせた。
投資会社華宝信託(上海)のエコノミスト、ニー・ウェン氏は「今回の措置は地方債務リスクへの対処に役立つ。さらに多くの措置が打ち出されるだろう」と述べた。
「当局としては、一連の措置によって債務問題を徐々に解決していきたいと考えているが、それには時間がかかるだろう」と語った。
今回の措置は以前のスキームを反映したもので、地方政府が3%前後の金利で債券を発行し、LGFVの高金利の負債と置き換えることを可能にする。一部の地方政府やLGFVは7─10%の金利を支払っている。
ANZのアナリストは6月下旬のメモで「地方政府の債務再編のコストの大半は、中央政府よりもむしろ商業銀行が負担することになるだろう」と指摘。短期的には大規模な債務不履行は発生しないとの見方を示している。
ブルームバーグによると、北京、上海、広東、チベットを除く全ての省レベルの政府はオフバランスの「隠れた債務」の返済に債券発行を利用できる。
また、当局は貴州省、湖南省、吉林省、安徽省、天津市など「リスクの高い」省・市を特定。これらに対しより多くの支援を提供する方針という。