[上海/北京 25日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が一部の国内銀行に対し、中国本土と香港の債券相互取引「ボンドコネクト」を通じた対外投資を縮小するよう窓口指導したことが、事情に詳しい関係筋2人の話で分かった。
香港への人民元流出を抑制し、オフショア市場で元の供給を減らす狙いとみられるという。
本土の機関投資家はボンドコネクトの「南向き」を通じて香港で取引される債券に投資できる。
関係筋の1人は「本土外市場への元のフローを制限することでオフショア人民元の流動性が引き締まり、資金調達コストが上昇する可能性がある」とし、人民銀の措置は海外の元弱気派を標的にしているとの見方を示した。
人民銀は窓口指導の内容についてコメントを控えた。
みずほ銀行のアジアFX担当チーフストラテジスト、ケン・チュン氏は「債券市場を通じて本土から流出する資本を減らす可能性がある。また、オフショア人民元利回りを上昇させ、元を下支えする可能性もある」と語った。
景気低迷や資本流出で人民元が打撃を受ける中、中国は複数の通貨防衛策を打ち出しており、ここ1週間はオフショアで人民元の売り持ちコストを上昇させることを狙った措置を取っている。
ボンドコネクトの下、本土の機関投資家は7月末時点で約4269億8000万元(600億ドル)のオフショア債券を保有している。
この保有を減らすという指導について、銀行自身の投資に向けられたものなのか、顧客のために所有している部分を指すのかは不明。しかし、7月は前月比246億元減と、今年に入って初めて減少した。
資金フローは膨大なものではないが、今回の措置は空売りを阻止する他の取り組みに続くものであるため、関係筋は強力なシグナルになると考えている。
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