[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのセンテノ・ポルトガル中銀総裁は30日、ユーロ圏の経済成長はここ数カ月、予想を下回っており、景気の下振れリスクが明らかに顕在化しているとし、一連の利上げを実施してきたECBはこれ以上の政策引き締めに慎重になるべきと述べた。
ロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラムで「景気に関する統計については下振れに驚いている」と指摘。ECBは「すでに多くのことを実施してきたため、決断には慎重になる必要がある。また(利上げを)一時停止したとしても金融引き締めの状況は続くだろう」とした。
ECBは次回9月14日に理事会を開催する。追加利上げを実施するか、金利を据え置くかは不透明だが、センテノ氏は金利はしばらくの間、経済活動を制限する水準にとどまるだろうと述べた。
9月の理事会がどちらに傾いているかは明言しなかったが、仮にECBが利上げを一時停止したとしても、利上げ打ち止めを宣言するのは誤りだと強調。「インフレ率が2%に達する軌道に乗れば、打ち止めとなる。そのため、現在進行中のプロセスであることを明確にする必要がある」とした。
また「欧州の労働市場はこれまでにない形で機能している。欧州の労働市場には、過去には見られなかったような柔軟性がある。このことは、過去にわれわれが経験してきたことに反し、労働市場における賃金圧力を緩和するだろう」とした。