Liang-sa Loh Faith Hung
[台北 21日 ロイター] - 台湾中央銀行は21日の四半期金融政策会合で政策金利の据え置きを決定した。2023年の経済成長率予測を下方修正したが、24年は回復を見込み、引き締めバイアスを維持した。
全会一致で政策金利を1.875%に据え置くことを決めた。物価高を受け昨年3月に引き締め局面に入り、政策金利を5回、合計75ベーシスポイント(bp)引き上げたが3月以降は据え置いている。
ロイターのエコノミスト調査でも、全員が据え置きを予想していた。
中銀は23年の成長率予想を6月時点の1.72%から1.46%に下方修正した。24年は3.08%と回復を見込む。
今年の消費者物価指数(CPI)上昇率予想も2.24%から2.22%に引き下げた。来年はさらに低下し2%を下回ると予想した。
楊金龍中銀総裁は会見で、第4・四半期から成長が持ち直し始め、世界経済は来年回復すると予想した。ただ、中国の景気減速や米中の貿易摩擦などのリスクも指摘した。
インフレ率が来年2%を下回ると予想したが金利は「やや長い間、幾分高め」にとどまる可能性を示した。
「物価の注視が最優先事項」とし、「金利は緩やかに上昇した。経済が大幅に悪化しない限り、緩やかに下がるだろう」と述べた。
泰信証券投資顧問(台北)のエコノミスト、ケビン・ワン氏は、来年にかけて緩やかな経済成長が続くため、引き続き政策金利は据え置かれると予想。「米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始するまで、利下げに踏み切れないだろう」と述べ、利下げするとすれば来年後半以降との見方を示した。