Uditha Jayasinghe Swati Bhat
[コロンボ 5日 ロイター] - スリランカ中央銀行は5日、景気押し上げのため、利下げを再開した。政府は国際通貨基金(IMF)の金融支援を引き続き受けるため、歳入の拡大と財政健全化を目指している。
中銀は常設預金ファシリティー金利と常備貸出ファシリティー金利をともに100ベーシスポイント(bp)引き下げ、それぞれ10%、11%とした。
前回8月の政策決定会合では金利を据え置いていた。
利下げは市場の予想通り。インフレ率は鈍化している。
同国は昨年、経済危機に見舞われ、物価が高騰。外貨準備が記録的な水準に減少し、必需品の輸入が難しくなった。
中銀は自国通貨の下支えを通じたインフレ抑制と外貨準備増強のため、計10.5%ポイントの利上げを実施。今年3月にIMFから29億ドルの金融支援を受けた後は経済が安定し、6月以降は計5.5%の利下げを実施している。
一連の利下げを受け、同国が海外市場で発行した債券は価格が上昇しているが、IMFは先月、金融支援プログラムの初回審査で同国と合意に至らなかった。歳入の潜在的な不足が理由という。IMFの2回目の融資が遅れる可能性がある。
株式調査会社CALグループのチーフストラテジスト、ウディーシャン・ジョナス氏は「経済成長が不十分で、景気を刺激する唯一の方法が金融政策だ」と述べた。
中銀は、インフレ率を中期的に5%で安定させ、潜在成長率を実現する上で、現在の穏やかな国内物価見通しが寄与すると指摘。市場金利の一段の低下を望むと改めて表明した。
9月のインフレ率はわずか1.3%。過去6カ月で通貨は約12%上昇し、外貨準備も増加している。