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Polina Devitt Amy Lv
[ロンドン/北京 20日 ロイター] - 中国が20日、電気自動車(EV)の主要材料であるグラファイト(黒鉛)の輸出を12月1日から許可制にする方針を示したことで、日本や米国などグラファイトの消費国では11月に中国からの輸入が加速しそうだ。ただグラファイトは安全性試験に長い期間を要するため、輸入のペースを上げるのは容易ではなさそうだ。
グラファイトは電気自動車用バッテリーの負極材に使われる。中国はグラファイトの生産と輸出が世界首位。
中国が12月からグラファイトの輸出を許可制にすることで、業界では「11月に買い手が急激に増えて、価格が急上昇する」(グローバル・グラファイト・アドバイザリーのトム・バーケット氏)との見方が広がっている。
半導体素材のガリウムとゲルマニウムは、中国が8月から輸出規制を開始すると発表すると買い手が調達の確保に走り、7月に中国の輸出が急増。グラファイトも同じ展開をたどるとみられている。
中国産グラファイトの主な輸入国は日本、米国、韓国、インド。
しかしグラファイトは個々のEVモデルでの安全性の確認に手間がかかり、最長で3年もの期間を要することもある。そのため一部のバッテリーメーカーは短期間での調達が難しそうだ。
ウッド・マッケンジーのジェームズ・ウィロビー氏は「最悪のシナリオではパニック買いが起きるかもしれない。スポット市場ではニーズにぴったりと合致する材料が見つからない可能性がある」と述べた。