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焦点:円債回帰の国内生保、日銀政策や米金利にらみ買いは「急がず」

発行済 2023-10-27 16:30
更新済 2023-10-27 16:36
© Reuters.  国内主要生保の2023年度下期運用計画では、日本国債を主軸とした資産運用に回帰することで各社足並みがそろった。写真は2017年6月撮影(2023年 ロイター/Thomas White)

Tomo Uetake

[東京 27日 ロイター] - 国内主要生保の2023年度下期運用計画では、日本国債を主軸とした資産運用に回帰することで各社足並みがそろった。主要な投資先である30年債の利回りが足元で10年ぶりの高水準にあり、投資妙味が生じているためだ。ただ、日本銀行の政策修正や米金利動向を巡る不透明感から、買い方は抑制的となりそうだ。

<30年金利が10年ぶり高水準、「相応の投資妙味」>

ロイターが26日までに実施した国内主要生保10社の聞き取りによると、今年度下期は超長期の国債を中心に積み増す方針で、足並みがそろった。

長引く超低金利環境での運用難を背景に、ある程度リスクを取って外国債券などを手がけてきた生保だが、生命保険契約という超長期の円建て負債を抱える中で、為替リスクがなく、期間の長い国内債券で資産運用を行うのが理想だ。足元では主な投資先とする30年国債の利回りが一時1.890%をつけるなど、10年ぶりの高水準に上昇している。

かんぽ生命は「1.8%台の利回りは魅力的に映る」と指摘する。住友生命も「相応の投資妙味がある」として、投資に適切なタイミングだとの考えを示した。

日本生命も「当社の負債コストに見合う水準で、絶対水準としてはいいところ」と評価するが、「前のめりになって買っている状況ではない」とやや抑制的なスタンスだ。日米の金融政策の変更や米金利上昇により、今後まだ金利が上昇する可能性もあるためという。

折しも来週は「中銀会合ウィーク」で、日銀や米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定会合が予定されている。

<年度内の日銀政策変更予想は一部>

下期の投資を左右するポイントとなる日銀の金融政策だが、生保の多くは、必ずしも年度内に金融政策正常化に向けた一歩を踏み出すとはみていない。

最も多いのは、日銀が来春にしっかりした賃上げが行われたことを確認してから、24年度上期に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正または撤廃、そしてマイナス金利政策の解除を行う、との予想だ。

年度内の修正を見込む第一生命は、メインシナリオとして来年1─3月期に日銀が正常化に動き出すと予想する。かんぽ生命は「早ければ1─3月にも」と予想。それ以外の会社は多くが、年度内の政策変更はサブシナリオと想定する。

そんな中で共通するのは、年度末にかけての金利先高観だ。

明治安田生命は「どちらにせよ金利は上昇の一方向で考えれば良い」との考えで、「日銀がいつ、何を」など具体的な予想を立てていない。「金利が上がったら買いに動く」とのスタンスのもと、年間購入予定額を均等に割った「平準ペース」で淡々と超長期国債を購入し、「買い余力」を保ちながら、金利がある程度上がりきったところで多めに買いたい、とタイミングを計っている。

「1回修正があっても、将来もう一段の修正と金利上昇があるなら(国債買いへの)慎重姿勢継続だし、YCCを解除するならまた別の話」だとし、政策修正の内容をみて機動的な投資判断を行うという。

富国生命では「来年度買えばもっと(金利が)高いところで買える」として、下期の国債の新規投資を見送る計画へと変更することを検討中だ。

<ここからの金利上昇余地は限定的>

ただ、日銀がYCCの解除やマイナス金利撤廃に動いたとしても、ここからの金利上昇余地は大きくない、との指摘も複数聞かれる。

足元の金利水準について、日本生命ではYCCの撤廃やマイナス金利の解除を「かなり織り込んでいる」とみている。住友生命も「ある程度織り込んでいる」との評価で、いずれも、実際にそれらが実施されても一段の大幅上昇は難しいとの見立てだ。

© Reuters.  国内主要生保の2023年度下期運用計画では、日本国債を主軸とした資産運用に回帰することで各社足並みがそろった。写真は2017年6月撮影(2023年 ロイター/Thomas White)

年度末にかけて、日銀の政策修正にらみで動きづらい状況が続くとみられる中、生保各社の「半身の」買い姿勢が継続するとみられる。

※「国内主要生保の2023年度下期資産運用計画・市場見通し」一覧はこちらでご覧いただけます。

(植竹知子 取材協力:浜田寛子、平田紀之、坂口茉莉子編集:石田仁志)

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