Cynthia Kim Jihoon Lee
[ソウル 11日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は11日、政策金利を3.50%に据え置いた。据え置きは8会合連続。中銀は他の主要国中銀同様に金融緩和に軸足を移す可能性を示唆した。
ロイターがまとめたエコノミスト調査では38人全員が据え置きを予想していた。
中銀は声明から「基準金利をさらに引き上げる必要性を判断する」との文言を削除した。2021年半ば以降合計300ベーシスポイント(bp)の利上げを実施したが、今回の声明は政策緩和へのシフトをこれまでで最も強く示唆した。
「国内外における金融政策シフトへの期待を背景に韓国の長期債利回りは低下している」とし、不動産事業融資に関するリスクが高まっていると指摘した。
李昌ヨン総裁は政策会合後の会見で緩和時期について質問され、「個人的見解では今後半年は(利下げの)可能性はほとんどないと考えている」と述べ、早期の利下げ観測をけん制した。
「拙速な利下げはインフレ期待を再燃させ、景気を支援する代わりに不動産ブームへの期待を高めて経済に悪影響を及ぼす恐れがある」と述べた。
中銀の政策動向に敏感な3年物債先物は会見後にそれまでの上げを縮小したが、依然0.08ポイント高の105.02となっている。
アナリストは今年第3・四半期の利下げ開始を見込むが、物価上昇圧力の緩和に伴い早期利下げを予想する向きもある。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アンキタ・アマジュリ氏は顧客向けメモで、原油価格の下落がインフレ鈍化につながるとも指摘した。
12月の消費者物価伸び率は3.2%と2カ月連続で低下した。中銀は総合インフレ率が今年末か2025年初めまでに目標の2%まで和らぐと予想している。