Sameer Manekar Praveen Menon
[シドニー 14日 ロイター] - 豪銀最大手のコモンウェルス銀行(CBA)は14日、遅れて生じる高金利の影響で家計や企業の財務は2024年度も圧迫されるとの見通しを示した。上半期(23年7─12月)決算は利ざやの縮小が響き、キャッシュ利益が減少した。
需要減速や根強いインフレが事業者に打撃を及ぼし、地政学的緊張が不透明感を一段と深める中、豪経済の下振れリスクが高まっているとも警告した。
マット・コミン最高経営責任者(CEO)は「金利上昇は家計や企業に遅れて影響を及ぼすため、経済的負担は24年も続き、延滞や減損が増加する見通しだ」と述べた。
アナリスト・投資家向け電話会見で「インフレ率は低下しているが、依然として高すぎる」との認識を示した。「今年の経済成長率は1.5%を下回ると予想している。基本シナリオはソフトランディング(軟着陸)で変わらず、インフレと金利については年内に低下し始めるに連れ、圧力が緩和されると見込んでいる」と語った。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスのダニエル・ユー副社長はノートで、CBAの利益は豪銀が直面しているコスト増と純金利マージンの縮小による収益面の課題を反映していると指摘。「貸出、預金ともに厳しい競争が銀行の純金利マージンに重くのしかかり、インフレ高進の影響が長引く中で営業コストがさらに上昇する中、こうした逆風は24年も続くと予想する」とした。
上半期のキャッシュ利益は50億2000万豪ドル(32億4000万米ドル)と前年同期の51億8000万豪ドルから減少。シティによると、ビジブル・アルファのコンセンサス予想は49億5000万豪ドルだった。
住宅ローンや預金の激しい金利競争が利ざやに影響したほか、物価高による経費拡大も圧迫要因となった。
住宅ローンポートフォリオは6月末の5840億豪ドルから12月末には5820億豪ドルに縮小した。
継続事業からの純金利収入(現金ベース)は2%減の114億豪ドル。収益性の指標となる純金利マージンは11ベーシスポイント(bp)低下の1.99%となった。
12月末時点の普通株(Tier1)自己資本比率は12.3%と、6月末時点の12.2%から小幅に上昇。1株当たりの中間配当は昨年の2.10豪ドルから2.15豪ドルに増額された。