[フランクフルト ８日 ロイター] - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）の複数の高官が８日、数カ月以内の利下げ実施に相次いで支持を表明した。ユーロ圏のインフレ率が予想以上のペースで鈍化していることが背景。
ＥＣＢ理事会メンバーであるナーゲル独連邦銀行（中銀）総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁が利下げの可能性を指摘。利下げ開始の時期を巡る見解の相違はわずかだった。
ナーゲル氏はドイツのポッドキャスト「テーブル・トゥデイ」で「夏休み前に利下げが行われる可能性が高まっている」と発言。
ＥＣＢは夏休み前の４月１１日、６月６日、７月１８日に理事会を開く。
ビルロワドガロー氏は今春に利下げが行われるという強いコンセンサスがＥＣＢ内にあるとし「春は４月から６月２１日までだ」と説明した。
レーン氏も利下げに関する議論が「４月と６月の理事会」で再開されるだろうと述べた。
シムカス氏は記者団に６月の利下げの「可能性が非常に高い」とし、これが２５ベーシスポイント（ｂｐ）刻みの一連の利下げの第１弾になる可能性があると述べた。４月の利下げの可能性は「低い」との認識も示した。
こうした発言を受け、ユーロ圏の金融市場は６月の利下げを完全に織り込み、その後１２月までにさらに３回の利下げがあると予想している。中銀預金金利は現行の４．０％から３．０％に下がることになる。