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三井化学 Research Memo(15):下期は販売量の増加が続く一方、交易条件の悪化が一服し上期比増益の見通し

発行済 2017-12-27 15:45
更新済 2017-12-27 16:00
三井化学 Research Memo(15):下期は販売量の増加が続く一方、交易条件の悪化が一服し上期比増益の見通し
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■今後の見通し

1. 2018年3月期通期見通し
2018年3月期について三井化学 (T:4183)は、売上高1,300,000百万円(前期比7.2%増)、営業利益103,000百万円(同0.8%増)、経常利益105,000百万円(同8.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益73,000百万円(同12.6%増)と増収増益を予想している。


同社は第1四半期決算時に続き、第2四半期決算に際しても通期見通しを上方修正した。
期初予想では営業減益を予想していたが、2度の上方修正の結果、営業利益も前期比増益予想となり、達成すれば2年連続での過去最高益更新となる。


売上高と営業利益の詳細は事業セグメント別に後に詳述する。
今期は持分法投資利益が前期の2億円から55億円に拡大する見通しのほか、為替差損益も前期比15億円改善し、営業外収支が前期比69億円改善すると予想されている。
この結果、経常利益は1,050億円(前期比8.0%増)と、営業利益に比べて増益率が拡大する見通しだ。
また、特別損益においても、前期にあった固定資産処分・売却損や減損損失などが今期は大きく減少する見通しで、特別損益のネット値は前期比104億円の改善が見込まれている。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比12.6%増の730億円と、増益率がさらに拡大する見通しとなっている。


セグメント別動向は以下のとおり。


モビリティ事業では今下期について売上高1,606億円(上期比72億円増)、営業利益210億円(同10億円減)と、上期比で増収減益と予想している。
売上高は海外PPコンパウンドやミラストマー®の増設などが貢献して販売数量増加を主要因に増収となる見通しだ。
一方、営業利益では、原料価格上昇による交易条件の悪化や研究開発費を中心とする固定費の増加により、上期比減益を予想している。
この結果今通期では、売上高3,140億円(前期比207億円)、営業利益430億円(同23億円増)と増収増益を予想している。


ヘルスケア事業の今下期は、売上高749億円(上期比68億円増)、営業利益82億円(同34億円増)を予想している。
ビジョンケア材料については世界シェア45%という圧倒的な強みを活かして安定的に収益の拡大が続いており、今下期もそれは変わらないとみられる。
不織布はベースとなる需要の継続的拡大に加え、高機能不織布エアリファTMの採用拡大が今下期は貢献すると期待される。
歯科材料は、需要自体は今上期から堅調が続いている。
また、歯科材料は下期が需要期にあたるため、上半期対比で収益押し上げ要因となるとみられる。
これらの結果、今通期は売上高1,430億円(前期比88億円増)、営業利益130億円(同29億円増)と増収増益を予想している。


フード&パッケージング事業の今下期は、売上高1,000億円(上期比50億円増)、営業利益119億円(同18億円増)を予想している。
機能性フィルム・シートが包装用、産業用それぞれで需要が好調に推移しており、今下期には一段の増加が期待される。
また今下期は交易条件の悪化が一段落すると期待される。
原料価格の上昇が一服する一方、競合の輸入品が入って来にくいなかで、徐々に原料価格上昇の価格転嫁が進むとみられるためだ。
結果的に売上数量増加の効果が利益増として残ると期待されている。
この結果今通期では、売上高1,950億円(前期比125億円増)、営業利益220億円(同14億円増)と増収増益を予想している。


基盤素材事業の今下期は、売上高3,288億円(上期比366億円増)、営業利益176億円(同22億円増)を予想している。
売上高が上期から増収となるのは主として販売数量の増加による。
上期には大規模定修があってその分、外販する化学品の販売数量も減少した。
営業利益の上期比増益も定修に伴う費用の減少が大きな要因を占めている。
交易条件については、今下期は、上期に比べて海外市況がさらに低下(沈静化)するとみており、利益変動要因としてはマイナス要因と想定している。
この結果今通期では、売上高6,210億円(前期比554億円増)、営業利益330億円(同55億円減)と増収減益を予想している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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