以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家もきち♪氏(ブログ「もきちのきもち 株とコンピュータ編」「もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編」を運営)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2018年4月22日23時に執筆
5月上旬には決算発表が相次ぎます。
これには理由があります。
まず、上場企業の6割以上が3月末の決算となっています。
そして、上場企業は決算日から45日以内に決算短信を公開することが義務付けられています。
さらに、6月・9月・12月末決算企業の四半期決算が重なります。
3月末の決算日から45日目となる5月15日までは決算ラッシュなのです。
■好決算なのに株価が下がる時もある?
この決算発表が好調ならば株価も上昇するのではないかと思います。
でも、実際には増収増益となっても株価が上昇するとは限りません。
場合によっては下落することもあります。
少し不思議に思うかもしれません。
これは、市場参加者があらかじめ決算内容を予想し、先回りして株価に織り込んでいるからです。
つまり、市場参加者は前期の業績に対してのプラスマイナスではなくて、あらかじめ織り込んだ予想業績に対する増減を評価しているのです。
増収増益が発表されても、市場予測通りなら「織り込み済み」ですので株価は反応しないということです。
そして、市場予想に届かないと好決算が出ても株価は下落するということです。
このような市場予測というのはマーケットのおえらいさんたちがそれぞれに算出していますので、決まった数字はありません。
ただ、マーケットコンセンサスとして独自に平均値を公表しているサイトもありますので、調べてみるのもありかと思います。
■予想利益は5月に切り替わる?
この決算短信のタイミングで各企業が今後の利益予想を発表することが多くなっています。
3月決算企業だと、3月までの実績を踏まえて次年の3月までの業績予想を公表します。
この業績予想にも注目が集まります。
3月決算企業だと次の決算期までの1年間の予想です。
日本企業は会社予想を控えめに出す傾向がありますので、この業績予想に対しても市場参加者が独自の予想を評価することになります。
そして、この予想利益と時価総額から予想PER(株価収益率:Price Earnings Ratio)が計算されて割安割高を評価して株価が形成されることになります。
■中期経営計画で予習する
ただ、個人投資家が実際に決算短信を見てから仕掛けようとしても、手遅れになることが少なくありません。
もしも決算発表のイベントで仕掛けるとしたら、発表前ということなのかもしれません。
とはいっても、決算発表前に決算内容はわかりません。
でも、決算をまたいで投資家に対してIR情報を公開する企業は少なくありません。
これらの情報の中には業績予想が含まれることもあります。
例えば、鉄建建設 (T:1815)は平成30年3月16日付で『「中期経営計画 2018~2020」の策定について』を発表しています。
ここでは平成30年5月15日発表予定となっている業績の「見込み」と3年計画の初年度としての目標利益が明記されています。
企業は業績の修正を嫌います。
予想と結果が大きく異なったり、予想が何度も変わったりすると信用されなくなってしまいます。
3月16日に発表した内容を5月15日に大きく変更するというのは避けたいかもしれません。
そう考えると、3月16日に発表した数字はいつにも増して十分に検証された数字と考えてもいいのかもしれません。
■決算発表ラッシュを乗り切る
多くの決算発表が集中する時期にすべての銘柄をじっくりと検討するのは物理的に難しいと思います。
集中日には1000社近くの決算が発表されます。
1社5分かけて検討すると80時間以上ですのでその日に終わりません。
次の日にはまた決算発表が続きます。
そこで、ポイントを絞ってざっくりとチェックして、気になる銘柄だけをじっくりと確認するということが現実的かと思います。
もきち♪は決算内容を閲覧するツール(XBRLのビューア)を使ってポイントを絞って1社30秒以内で確認しています。
そのほかにも、本当に項目が限られますが、全企業の決算内容とマーケットコンセンサスを掲載している証券会社のサイトもありますので、利用してみてもいいかもしれません。
どんな形であれ「春の本決算祭り」に参加してみるのもいいかと思います。
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執筆者名:もきち♪
ブログ名:もきちのきもち 株とコンピュータ編
もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2018年4月22日23時に執筆
5月上旬には決算発表が相次ぎます。
これには理由があります。
まず、上場企業の6割以上が3月末の決算となっています。
そして、上場企業は決算日から45日以内に決算短信を公開することが義務付けられています。
さらに、6月・9月・12月末決算企業の四半期決算が重なります。
3月末の決算日から45日目となる5月15日までは決算ラッシュなのです。
■好決算なのに株価が下がる時もある?
この決算発表が好調ならば株価も上昇するのではないかと思います。
でも、実際には増収増益となっても株価が上昇するとは限りません。
場合によっては下落することもあります。
少し不思議に思うかもしれません。
これは、市場参加者があらかじめ決算内容を予想し、先回りして株価に織り込んでいるからです。
つまり、市場参加者は前期の業績に対してのプラスマイナスではなくて、あらかじめ織り込んだ予想業績に対する増減を評価しているのです。
増収増益が発表されても、市場予測通りなら「織り込み済み」ですので株価は反応しないということです。
そして、市場予想に届かないと好決算が出ても株価は下落するということです。
このような市場予測というのはマーケットのおえらいさんたちがそれぞれに算出していますので、決まった数字はありません。
ただ、マーケットコンセンサスとして独自に平均値を公表しているサイトもありますので、調べてみるのもありかと思います。
■予想利益は5月に切り替わる?
この決算短信のタイミングで各企業が今後の利益予想を発表することが多くなっています。
3月決算企業だと、3月までの実績を踏まえて次年の3月までの業績予想を公表します。
この業績予想にも注目が集まります。
3月決算企業だと次の決算期までの1年間の予想です。
日本企業は会社予想を控えめに出す傾向がありますので、この業績予想に対しても市場参加者が独自の予想を評価することになります。
そして、この予想利益と時価総額から予想PER(株価収益率:Price Earnings Ratio)が計算されて割安割高を評価して株価が形成されることになります。
■中期経営計画で予習する
ただ、個人投資家が実際に決算短信を見てから仕掛けようとしても、手遅れになることが少なくありません。
もしも決算発表のイベントで仕掛けるとしたら、発表前ということなのかもしれません。
とはいっても、決算発表前に決算内容はわかりません。
でも、決算をまたいで投資家に対してIR情報を公開する企業は少なくありません。
これらの情報の中には業績予想が含まれることもあります。
例えば、鉄建建設 (T:1815)は平成30年3月16日付で『「中期経営計画 2018~2020」の策定について』を発表しています。
ここでは平成30年5月15日発表予定となっている業績の「見込み」と3年計画の初年度としての目標利益が明記されています。
企業は業績の修正を嫌います。
予想と結果が大きく異なったり、予想が何度も変わったりすると信用されなくなってしまいます。
3月16日に発表した内容を5月15日に大きく変更するというのは避けたいかもしれません。
そう考えると、3月16日に発表した数字はいつにも増して十分に検証された数字と考えてもいいのかもしれません。
■決算発表ラッシュを乗り切る
多くの決算発表が集中する時期にすべての銘柄をじっくりと検討するのは物理的に難しいと思います。
集中日には1000社近くの決算が発表されます。
1社5分かけて検討すると80時間以上ですのでその日に終わりません。
次の日にはまた決算発表が続きます。
そこで、ポイントを絞ってざっくりとチェックして、気になる銘柄だけをじっくりと確認するということが現実的かと思います。
もきち♪は決算内容を閲覧するツール(XBRLのビューア)を使ってポイントを絞って1社30秒以内で確認しています。
そのほかにも、本当に項目が限られますが、全企業の決算内容とマーケットコンセンサスを掲載している証券会社のサイトもありますので、利用してみてもいいかもしれません。
どんな形であれ「春の本決算祭り」に参加してみるのもいいかと思います。
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執筆者名:もきち♪
ブログ名:もきちのきもち 株とコンピュータ編
もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編