以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家大野芳政氏(ブログ「証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」」を運営)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
----※2019年1月25日22時に執筆国内の上場企業の多くは年に数回、アナリストや機関投資家向けに決算説明会を開催しています。
実はテンバガー(10倍株)など長期上昇株のトレジャーハンティングには、経営者の生の声を聞ける決算説明会は非常に有効なツールとなります。
将来大きく成長する会社を探すには、経営者の人物像や、長期的なビジョンに沿った具体的な経営戦略などが重要となるからです。
決算短信等の財務諸表の分析もいいですが、どうしても近視眼的になってしまいがちです。
そこで、1回1~2時間程度の決算説明会の内容を3分程度で読めるよう、アナリストの視点からポイントを絞り込んで紹介していきます。
■UUUM (T:3990)同社はユーチューバー等のマネジメント業務やプロモーション提案を行う企業です。
2017年8月にマザーズに新規上場し、当時は初値が6700円と公開価格の3.3倍となったことで、個人投資家の間で話題を集めました。
「YouTube」などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が普及し、誰もがテレビ(メディア)になれる時代が到来している今、インフルエンサーをサポートする必要性が高まっていると言えます。
話題なのはビジネスモデルだけではありません。
好調な業績も株価の押し上げ材料となっています。
19年5月期2Q累計(6-11月期)の営業利益は前年同期比+178%の7.21億円と大幅増益となり、通期の予想を8.5億円→11億円に上方修正しています。
ただ、同社によると、「上期に想定より良かったアドセンスを下期は慎重に見ている」とのことで、再上方修正への期待も高いと言えるでしょう。
それでは決算説明会の内容を見ていきましょう。
■注目度★★★★☆2019年1月11日「2019年5月期第2四半期決算説明会」■トピックス・19/5期2Q決算概要・2Q業績ハイライト・2Q累計業績ハイライト・売上高(四半期)推移・粗利益(四半期)推移・販管費(四半期)推移・営業利益(四半期)推移・四半期末の従業員数、臨時雇用人員数推移・期末所属チャンネル数および3ヵ月合計動画再生回数推移・1再生あたりの視聴時間の推移・チャンネル登録者数ランキング・動画広告市場が拡大する中、市場を上回る売上成長を実現・U-FES.2018は延べ28,000名が来場・イベント来場者数の推移・ワタナベマホトなど6組のクリエイターがUUUMに新加入・新作ゲームアプリ「Yの冒険R」が40万ダウンロード突破・はじめしゃちょー初主演ドラマ「THE FAKE SHOW」・「ボンボンTV」が青春ドラマ「最後のねがいごと」を公開・当社初となるプロアマゴルフ大会を開催・今後の成長戦略・経営理念・経営戦略・動画メディアの変化・普段視聴する動画コンテンツサービス・誰もがテレビ(メディア)になる時代へ・動画クリエイターは動画メディアかつインフルエンサー・フィッシャーズの事例・過去と今後のエンタメビジネスの成功パターン・全てのインフルエンサーをサポートできる体制へ・当社の成長基盤:「世界一個人クリエイターを大切にしていく」・当社の成長戦略・通期業績見通し・19/5期通期業績見通しを上方修正・サービス別売上高見通し(旧計画vs.新計画)・レモネードの業績影響について・下期に向けて・(参考)各ビジネスの事業モデル■会社解説からポイント抜粋・国内の動画広告市場は前年比+34%の1843億円と伸びたものの、市場全体は鈍化傾向。
ただ、同社のアドセンス収益とタイアップ広告収益を合計した伸び率は+73%と市場より大きく伸びている。
テレビにおけるネット広告の割合は、アメリカが約20%弱まで伸びてきていることに対して、日本は7.1%にとどまってる。
そのため、「国内でも20%程度までは、テレビ広告市場から流れてくる可能性があり、まだまだ市場が伸びていくことが示されている」とした。
なお、国内のテレビ広告市場の規模は2兆円と言われている。
動画メディアは、これまでのテレビのみからデバイス単位で新しいコンテンツが生まれ、動画における新しいエンターテイメントが広がっている。
こうした中、普段視聴する動画コンテンツサービスとして、地上波テレビの民放は95%を占めるなど高いカバー率になっている。
また「YouTube」は70%と「大半の方が『YouTube』で見ているという普及率まで伸びてきた」という。
同社は「事業規模を伸ばしていく段階において、エンタメでは、これまでテレビで露出すること重大だったが、テレビ・マスメディアを使わなくても事業を伸ばすことができ、そのようなビジネスモデルにまで広がってきている」との見方を示した。
そのような中で、誰もがテレビ(メディア)になる時代が到来しており、様々な業界でコンテンツを発信する人が増え、インフルエンサーの定義が広がっているとし、「全てのインフルエンサーをサポートできる体制を整えていく」とのこと。
・アドセンスが好調なのは、再生時間が増えているため。
1本当たりの再生時間が増えると、再生の途中で広告が入る「ミッドロール」の割合が増え、1再生当たりの広告料が増えやすくなる。
2Qは「YouTube」に対する広告出稿が多かった。
また、「健全な動画に対して、広告が付きやすくなっているという傾向がある」という。
所属クリエイターのチャンネル数は11月末時点で7000チャンネルを達成。
3ヶ月合計の動画再生回数は95億回とこれまで右肩上がりが続いてきたが、1Qの107億回から減少。
「1Qは夏休みといった季節的要因があったため」だとした。
1再生あたりの視聴時間は、2018年11月が4.80分と2017年11月の3.83分より伸びている。
「動画自体が長くなっていることや、1つの動画に対してどれぐらい見られているかといった視聴維持率がともに伸びているため」だという。
2018年のレモネード社の買収について、今期は11-5月の7カ月で、のれん及び無形固定資産の償却が約5500万円発生する。
来期以降は年間で約9500万円となる見通し。
今後は拡販に向けた人財とマーケティング費用の投資を行う。
・株式会社GENESIS ONEに所属する6組のクリエイターがUUUMに新加入することになった。
中でもワタナベマホトなどは、登録者数が2018年11月9日時点で230万人の大型のクリエイターである。
・新作ゲームアプリ「Yの冒険R」が40万ダウンロード突破。
・「YouTube」の有料サービス「YouTube Premium」で、「YouTube Originals」作品として、同社所属のはじめしゃちょー初主演の「THE FAKE SHOW」という作品を12月より週1で配信している。
・「YouTube」チャンネル上において、講談社と共同で運営している「ボンボンTV」で日々作っている動画と比べて140%の再生回数を記録。
「普段から作成しているコンテンツについても、少しずつテイストを変えていきたい」とのこと。
・新しいコンテンツフォーマットへの取り組みとして、現在、「YouTube」の視聴者に対して様々な形の動画広告に対する取り組みを試験的に行っている。
----執筆者名:大野芳政ブログ名:証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」