3日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し: 23000円前半レベルでの底堅さを見極め■前場の注目材料:伊藤園、2Q営業利益141億円、コンセンサス若干上回る■京セラ、三菱マテ系の宝飾品事業買収、売上高2割増目指す■23000円前半レベルでの底堅さを見極め3日の日本株市場は、日経平均の23000円前半レベルでの攻防になりそうだ。
2日の米国市場ではNYダウが268ドル安と大幅な下落となった。
11月ISM製造業景況指数が前月に引き続き節目となる50を割り込み、製造業の不振が示され、売りが先行。
中国が米国での香港人権・民主主義法案の成立を受け、報復措置を実施したほか、トランプ大統領がブラジルとアルゼンチンに対する鉄鋼・アルミニウム関税措置を復活させる意向を示し、貿易摩擦への投資家心理の悪化から終日軟調な相場展開となった。
この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比345円安の23215円。
円相場は1ドル108円90銭台と円高に振れて推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなろう。
11月ISM製造業景況指数が4カ月連続で節目となる50を割り込んだことについては、ある程度は50回復を期待していた流れもあったと考えられ、ややハシゴを外された格好であろう。
また、米中交渉を巡る不透明感は根強く、想定されていた面はあったとはいえ、中国が米国での香港人権・民主主義法案の成立を受け、米軍の艦艇や航空機が整備のため香港に立ち寄ることを一時拒否する措置を決定するなどの報復措置を実施してきたことは嫌気されよう。
さらに、トランプ大統領がブラジルとアルゼンチンに対する鉄鋼・アルミニウム関税措置を復活させる意向を示したことも投資家心理を冷やすだろう。
もっとも、これまで同様、ギャップスタート後の底堅さを見極めたいところであろう。
11月21日の急落後の切り返しをみせていることもあり、23000円接近の局面では買い戻しの流れが強まる可能性も期待しておきたいところであろう。
日経平均の25日線が23200円近辺に位置しており、これを割り込んできたとしても、大引けでこれを上回っていれば、センチメントは悪化しないと考えられる。
その他、昨日は指数インパクトの大きいところを見る限りでは、225型の先物主導によるインデックス売買が中心であった。
しかし、その中でも、需給状況が良好な銘柄には買い戻しの流れが強まりやすいと考えられる。
また、マザーズ指数は時価総額上位銘柄が上げ一服となっているため、指数は小幅に反落となっていた。
これについても、足元の急ピッチのリバウンドに対する一服といったところであり、一方で中小型株については出遅れ感の強い銘柄を見直す動きに広がりがみられている。
米中協議の不透明感から積極的な上値追いには慎重になりやすいところであるが、基本的にはリスクオン状態が続く局面においては、より出遅れ銘柄を探る動きが強まりそうである。
■伊藤園、2Q営業利益141億円、コンセンサス若干上回る伊藤園 (T:2593)は第2四半期決算を発表。
営業利益は前年同期比6.8%増の141億円となり、コンセンサス(139億円程度)を上回った。
卸売価格について取引先と交渉して粗利を改善。
台風19号で営業所に浸水被害が出たことから、約1億円の特別損失を計上。
20年4月期通期の業績見通しは売上高のみ下方修正した。
■前場の注目材料・日経平均は上昇(23529.50、+235.59)・米原油先物は上昇(55.96、+0.79)・日銀のETF購入・株安局面での自社株買い・NISSHA (T:7915)中国のセンサー合弁を解消・富士通 (T:6702)新スパコン「富岳」出荷・NOK (T:7240)NOKなど、触覚再現グローブ提案、VR・車部品にも・トヨタ紡織 (T:3116)独社と印合弁、欧州でシート繊維拡販・住友ゴム (T:5110)「レベル4」車両のタイヤ遠隔管理・監視、群馬大と連携・京セラ (T:6971)三菱マテ系の宝飾品事業買収、売上高2割増目指す☆前場のイベントスケジュール・09:30 豪・7-9月期経常収支(予想:+61億豪ドル、4-6月期:+59億豪ドル)
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