[ニューヨーク 17日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドル指数がやや上昇した。英首相が欧州連合(EU)離脱後の移行期間を2020年以降に延長することを阻止する法案の成立を目指すと表明したことで合意なき離脱を巡る懸念が再び高まり、英ポンドが急落したことなどが背景。
前週の英総選挙で圧勝した与党・保守党を率いるジョンソン首相は、EUに来年末までの包括的な貿易協定締結を迫るため、離脱後の移行期間の2020年以降への延長を阻止する法案の成立を目指すと表明した。
ニューヨーク取引時間帯で英ポンドは1.53%安の1.312ドル。保守党の圧勝を受け2018年5月以来の高値を付けた前週13日からは2.89%の下落となる。
ウエスタンユニオン・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「英ポンドの圧迫要因となるEU離脱を巡る先行き不透明性が取引の最前線に戻ってきた」と指摘。TD証券のシニア外為ストラテジスト、マゼン・イサ氏は「選挙前は世論調査の結果を踏まえ、楽観的な見方がポンド相場に織り込まれていた」とし、選挙前に積み上がったポジションの巻き戻しが出ているとの見方を示した。
ユーロは対英ポンド (EURGBP=)で1.64%高の0.849ペンス。 ユーロは対ドル (EUR=)でも堅調に推移した。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.20%高の97.214。英ポンド安とともに豪ドルの下落もドル指数の押し上げ要因となった。
オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が17日に公表した12月の政策会合の議事要旨で、家計所得の低迷継続や労働市場の悪化が顕在化した場合、中銀は2月にも追加利下げを行う可能性があることが判明。豪ドル安につながった。米中が通商交渉で「第1段階」の合意に達したことの歓迎ムードが薄れたことも豪ドルの圧迫要因となった。