[ニューヨーク 31日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に及ぶす影響が一段と懸念される中、安全資産とされる円やスイスフランが買われ、円は対ドル で一時108.33円と3週間ぶりの水準に値上がりした。
世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスの感染拡大を巡って、国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言。米国務省も中国への渡航警戒レベルを引き上げ、国民に中国に渡航しないよう勧告した。ユナイテッド航空 (O:UAL)、アメリカン航空 (O:AAL)、デルタ航空 (N:DAL)の主要航空3社は、感染拡大を踏まえ、米国と中国を結ぶ運航の停止を発表した。
OANDA(ニューヨーク)のシニア市場ストラテジスト、エドワード・モヤ氏は「週初には企業業績や米中第1段階合意の効果を期待する声も聞かれたが、足元は新型コロナウイルスやそれが中国経済に及ぼす影響への懸念一色となっている」と述べた。
経済指標では、昨年12月の個人消費支出(PCE)価格指数が前月比0.3%上昇と、19年4月以来の大幅な伸びになったほか、コア指数も0.2%上昇した。統計を受けてドルは一時的に上向いた。
スイスフランは対ドルで一時2週間ぶり高値を付け、その後0.9637フランで推移。一方、オフショア人民元 は一時値上がりしたものの、その後は値を消し0.1%安の6.9884元。豪ドルやニュージーランドドルも値下がりした。
ドル/円 NY終値 108.38/108.41
始値 108.91
高値 108.96
安値 108.33
ユーロ/ドル NY終値 1.1093/1.1095
始値 1.1035
高値 1.1096
安値 1.1035
(表はリフィニティブデータに基づいています)