29日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:バリュー株物色の流れが、全体の下支えとして意識■前場の注目材料:日産自、20/3最終損益が6712億円の赤字■ANA、物流向けドローンを量産、エアロネクストと共同開発■バリュー株物色の流れが、全体の下支えとして意識29日の日本株市場は、利食い優勢の展開になりそうである。
28日の米国市場は、NYダウが147ドル安だった。
週次失業保険申請件数の減少傾向を好感し、上昇して寄り付いた。
ウイルス被害が大きかったNY市も6月初旬に第1段階の活動再開の可能性に市長が言及したことも好材料となり上げ幅を拡大した。
しかし、引けにかけて、トランプ大統領が中国に関する会見を29日に開くと発表すると、米中関係の悪化懸念から下落に転じた。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の21915円。
円相場は1ドル107円50銭台で推移している。
トランプ大統領の会見を控え、利食い優勢の展開になりそうであるが、中国による香港の「国家安全法」採択を受けた米中間の対立に対する懸念は想定されていたこともあり、嫌気した売りが強まる流れにはなりづらく、想定されていた一服といった見方になりそうである。
もっとも、指数インパクトの大きい値がさ株については、先物主導の売りの影響を受けそうであるが、引き続きバリュー株物色の流れが、全体の下支えとして意識されやすいと見ておきたい。
その他、トランプ大統領は28日、SNS企業を対象とした大統領令に署名した。
SNS企業に与えられている免責による保護を制限するものだと説明しており、SNS関連を中心としたIT関連への利益確定の流れにつながりそうである。
また、週末要因もあって新興市場の中小型株についても、利益確定が優勢になりそうである。
ただし、資金回転が効いている状況であるため、需給状況は良好だろう。
そのため、利食いが強まる局面においては、売り一巡後の押し目狙いの動きも出てきそうである。
その他、新型コロナウイルス感染拡大については、経済活動再開が期待される一方で、第2波への警戒が高まってきている。
テレワークなど引き続き需要が見込まれる関連銘柄へは、改めて物色資金が流入する可能性もありそうだ。
前場半ば辺りでは香港市場の反応を受けやすいだろが、売り仕掛け的な動きが強まる局面においては、売り一巡後のショートカバーを想定したスタンスになりそうだ。
■日産自、20/3最終損益が6712億円の赤字日産自 (T:7201)が発表した2020年3月期決算は、売上高が前期比15%減の9兆8788億円、営業損益は404億円の赤字だった。
中国市場の減速や新型コロナウイルスの感染拡大が響いた。
構造改革費用やグローバルの事業用資産の減損損失として合計6030億円の特別損失を計上し、最終損益は6712億円の赤字。
■前場の注目材料・日経平均は上昇(21916.31、+497.08)・米原油先物は上昇(33.71、+0.90)・日銀のETF購入・世界的な経済活動再開・日米欧の大型経済対策・コロナ収束後の業績回復期待・NTTドコモ (T:9437)厚労省、ドコモなどと協定、クラスター対策のデータ活用・船井電機 (T:6839)歯科用CTのプレキシオン買収、12億円で・双日 (T:2768)ヘルスケア拡大、トルコで総合病院開業・ANA (T:9202)物流向けドローンを量産、エアロネクストと共同開発・島津製作所 (T:7701)唾液でも同等の検出精度、島津のキットで確認・東芝 (T:6502)信州大と、微粒子で遺伝子運搬、がん治療の精度・安全性向上☆前場のイベントスケジュール・特になし
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