[ロンドン 24日 ロイター] - 国連貿易開発会議(UNCTAD)は24日、新たな報告書を公表し、貧国国が今年の債務返済のために3100億ドルを必要としていると表明した。また、世界の成長予測を下方修正するとともに、現在のエネルギー・食料価格の上昇が社会不安を増大させる可能性があると警告した。
新型コロナウイルス流行からの回復に既に苦慮している発展途上国において、債務危機とさらなる経済縮小がリスクだと指摘。2022年の世界経済成長率予測を3.5%から2.5%に引き下げた。
報告書は「パンデミック(世界的大流行)により債務が高水準となる中、急激な通貨安はすぐさま債務返済を持続不可能にし、いくつかの国は支払い不能、景気後退、開発停止という下降スパイラルに陥る可能性がある」とした。
UNCTADによると、昨年9月から既に上昇していた発展途上国の債券利回りは、ロシアがウクライナに侵攻して以来この1カ月で平均36ベーシスポイント(bp)上昇。食料を輸入に頼る国の利回りが最も上昇しているという。
UNCTADは、債務ショックに「脆弱な」国として、スリランカ、モンゴル、エジプト、パキスタン、アンゴラを挙げ、これらの国が債務の借り換えや「ロールオーバー」に苦慮していると指摘。「物価上昇が生活を脅かすため、食料や燃料の輸入に大きく依存している多くの発展途上国の危険性はより深刻だ」と付け加えた。