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来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米企業決算、米ISM景況指数、米雇用統計

発行済 2023-07-29 18:00
更新済 2023-07-29 18:15
© Reuters.
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*18:00JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米企業決算、米ISM景況指数、米雇用統計 ■株式相場見通し

予想レンジ:上限33500円-下限32500円

来週の東京株式市場は強含みか。
日本銀行は28日、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の修正を決めた。
当日の日経平均は乱高下したが、引けにかけては急速に下げ渋ったほか、東証株価指数(TOPIX)は下ヒゲを伴った陽線を形成し、25日移動平均線上を維持した。
また、その晩の米国株は大幅に反発し、夜間取引の日経225先物も33100円まで上昇した。
YCC修正があったにもかかわらず早々に33000円台を回復してきたことは心強い。
米個人消費支出(PCE)コアデフレーターや4-6月期雇用コスト指数が市場予想を下回ってインフレ鈍化傾向を再確認し、米長期金利の上昇が一服したことも安心感を誘う。



もともと、デフレ体質からの脱却という構造的な変化を海外投資家は日本株買いの一つの理由として挙げていたため、今回の物価見通しの上方修正に伴う政策修正はネガティブなことでもないだろう。
YCCを修正したとはいえ、マイナス金利政策を維持している限り、諸外国と比べて依然として十分に金融緩和的であるし、長期金利が少し上昇しても、短期の日米金利差は依然として大きいことから為替の円高余地も大きくないと考えられる。
実際、ドル円はその後1ドル=140円台を回復し、再び141円台にまで上昇してきている。



来週は国内企業決算の発表が本格化する。
日銀の政策修正をきっかけに再び注目度が高まっている銀行のほか、追加の株主還元の有無が注目される商社、為替の円安寄与が期待されるトヨタ自動車 (TYO:7203)などの輸送用機器など主力銘柄の決算が相次ぐ。
個別株物色が活発化することで商いが膨らむことが想定され、好決算銘柄の買いが優勢となれば、株価指数の回復につながろう。



米国ではアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の決算に注目だ。
生成AI(人工知能)ブームに火をつけたエヌビディアのライバルで、AMDも生成AI関連製品の先行きに自信を見せている。
これまでの日米の半導体企業やIT大手の決算はどちらかというと生成AIブームへの期待をいったん後退させる内容が多かったが、AMDの決算でこうした期待が復活すれば、日米の株式市場の下支え要因となりそうだ。



ほか、米国では供給管理協会(ISM)の景況指数、中国では国家版および民間版の購買担当者景気指数(PMI)が発表される。
さらに、週末には米雇用統計が発表予定だ。
物価指標の鈍化傾向は続いているが、雇用関連の指標はまだ強いため、結果次第では追加利上げ懸念が再燃する可能性がある。
週末にかけてはグロース(成長)株の手仕舞い売りに注意したい。



一方、短期的にはまだ注意が必要と考える。
日銀の政策修正に対する投資家の捉え方は定まっていないようにみえる。
先進国の中では最後の砦ともいえる金融緩和を継続していた日本がいよいよ政策転換へと舵を切りはじめたと捉えられれば、グローバルな金融緩和時代が本当に終わったという印象を与え、投資家への影響は大きそうだ。
日米の短期金利の差は維持される見込みだが、低金利で借りた円を売って高金利の通貨を買うキャリー取引の巻き戻しなども一部進む可能性がある。
また、米国債の大口投資家である生命保険会社などの国内機関投資家が自国債券への回帰に伴い、米国債を売却すれば米長期金利の上昇を通じて株式市場の重しになり得る。
米10年債利回りが再び4%を超え、その後も上昇が続くようだと次第に警戒感が高まるだろう。



日本の10年債利回りも注視する必要がある。
28日に発表された7月東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI)は前年同月比+4.0%と41年3カ月ぶりの高水準を記録。
+3.7%への鈍化を想定していた市場予想に反して6月(+3.8%)から加速した。
国内10年債利回りは0.5%を超えてきたが、まだ日銀が新たに指値オペの実施目途としている1.0%には遠い。
ただ、会見では植田総裁も物価上振れへの警戒感を示していた。
再び投機筋の債券売りが広がり、長期金利がさらに上昇してくる可能性はある。
上昇幅によっては警戒感から円高・株安を招き得る点には留意しておきたい。



■為替市場見通し

来週のドル・円は底堅い値動きか。
米経済指標で複数の雇用関連統計が予定され、それらの内容を見極める展開となりそうだ。
市場予想を上回る内容だった場合、連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げを意識したドル買いが見込まれる。
FRBは25-26日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.25ポイントの利上げを決定。
パウエルFRB議長はその後の記者会見で、今後の政策について「データ次第」とし、9月の次回会合での政策決定に手がかりを与えなかった。



足元で発表された米国の経済指標では、4-6月期国内総生産(GDP)速報値が1-3月期から伸びが加速した。
来週は7月ISM製造業・非製造業や6月JOLTS求人件数、7月ADP雇用統計、7月雇用統計が注目される。
強い内容が示された場合には、金融引き締め長期化の思惑から金利高・ドル高が見込まれる。
一方、日銀は27-28日の日銀金融政策決定会合で、現行の金融緩和政策を一部修正し、金利上昇の抑制を目的に国債を買い入れる指し値オペの水準を従来の0.5%から1.0%に引き上げた。
長短金利を操作するイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の運用柔軟化を決めたが、金融緩和策の大幅な修正ではないため、リスク回避的なドル売り・円買いが急速に拡大する可能性は低いとみられる。



■来週の注目スケジュール

7月31日(月):日・小売売上高(6月)、日・鉱工業生産指数(6月)、日・住宅着工件数(6月)、日・消費者態度指数(7月)、日・Laboro.AIが東証グロースに新規上場、日・決算発表:商船三井、HOYA、パナソニックHD、三井住友FG、村田製、京セラ、中・製造業PMI(7月)、欧・消費者物価コア指数(7月)、欧・ユーロ圏GDP速報値(4-6月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(7月)、など

8月1日(火):日・有効求人倍率(6月)、日・決算発表:セガサミH、双日、三井物、MUFG、JR西日本、野村HD、ローム、JAL、トヨタ、中・財新製造業PMI(7月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、米・ISM製造業景況指数(7月)、米・JOLT求人件数(6月)、米・決算発表:メルク、ファイザー、ウーバー、キャタピラー、スターバックス、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、など

8月2日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(6月15・16日分)、日・決算発表:スバル、住友電工、川崎船、イビデン、住友化、AGC、TDK、CTC、TIS、米・ADP全米雇用報告(7月)、米・決算発表:ペイパル、クアルコム、ドアダッシュ、など

8月3日(木):日・決算発表:旭化成、住友商、三菱商、コナミグループ、花王、ZHLD、任天堂、ヤマトHD、JFEHD、日本郵船、日清食品H、中・財新サービス業PMI(7月)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表、米・ISM非製造業景況指数(7月)、米・決算発表:アップル、アマゾン、エアビーアンドビー、など

8月4日(金):日・決算発表:伊藤忠、味の素、スズキ、三井不、島津製、オリックス、ミネベア、日本製鉄、丸紅、スクエニH、三井化学、キッコーマン、三菱重、ユニチャム、クボタ、米・雇用統計(7月)、など


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