[フランクフルト 13日 ロイター] - ユーロ圏の銀行監督を担う欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のアンドレア・エンリア委員長は13日、ユーロ圏の銀行は迅速にロシアから撤退すべきと述べ、ロシアのウクライナ侵攻開始から1年あまりが経過した今もロシア事業を継続している域内銀行に異例の退場要請を発した。
エンリア委員長は会合で「銀行が(対ロシア)エクスポージャーの一段の削減に引き続きしっかり注力し、理想的にはできるだけ早く市場から撤退することが重要だと考えている」と述べた。
現在、オーストリアのライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)、イタリアのウニクレディトなど少数ながら欧州の銀行がロシアで事業を続けている。
エンリア氏は、それらの銀行が今はロシアで新規の融資を行っていないこと、事業売却など撤退の手続きが容易ではないことは認めながらも、一段の行動が必要と強調。
「われわれはこうしたプロセスを評価しているだけでなく、銀行に強い圧力をかけて実行を促している。ロシアで事業を継続すれば大きな評判リスクを伴うためだ」と述べた。
ライファイゼンとウニクレディトはロシア事業を縮小していると説明するが、西側の制裁に苦しむロシア経済において重要な役割を果たしている。