Jeff Mason Maayan Lubell Nidal al-Mughrabi
[ワシントン/エルサレム/ガザ/テルアビブ 12日 ロイター] - イスラエル軍は12日未明にかけてパレスチナ自治区ガザに対して大規模な空爆を実施した。すでに封鎖状態にあるガザの深刻な状況について、赤十字が人道的配慮を求めたのに対し、人質の解放が先と一蹴した。
イスラエル軍はハマスを全滅させると宣言、攻撃への報復としてガザへの激しい空爆を続けている。直近の攻撃は週末のイスラエルへの攻撃で中心的な役割を担ったイスラム組織ハマスのエリート部隊を標的にしたとしている。ハマス系メディアは、この空爆でパレスチナ人15人が死亡し、複数の負傷者が出たと伝えた。
イスラエル軍報道官は12日に記者団に対し、地上攻撃についてはまだ決定していないが「準備している」と明言した。
ブリンケン米国務長官は12日、イスラエルのテルアビブに到着。イスラエルとの結束を示すため中東を歴訪する。ハマスに拘束された人質の解放やガザからの市民脱出などについて調整するとみられている。
<人質の解放が先>
赤十字国際委員会のファブリツィオ・カルボーニ地域局長は12日の声明で、「民間人の苦しみを軽減するよう双方に強く要請する」と表明。「ガザが電力を失うと、病院も電力を失い、保育器の中の新生児や酸素吸入の高齢患者が危険にさらされる。腎臓透析は止まり、レントゲンも撮れない。電気がなければ、病院は死体安置所と化す危険性がある」と指摘した。
これに対し、イスラエルのカッツ・エネルギー大臣は、人質が解放されなければ例外措置はないと指摘。「ガザへの人道支援? イスラエル人の人質が帰還するまで、電気は通さず、給水栓は開かず、燃料トラックも入れない。人道には人道をだ。誰もわれわれに説教するな」とX(旧ツイッター)に投稿した。