[モスクワ 27日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは、停戦で合意が成立するまでイスラエルで拘束した人質を解放できないと表明した。
モスクワを訪問中のハマス代表団メンバーがロシア紙コメルサントに語った。
このメンバーは、今月7日のハマスの攻撃でパレスチナのさまざまな派閥がイスラエルからガザに連行した人々全員の居場所を突き止めるには時間がかかると主張。
「数十人の人々を拘束した。大半は民間人だ。ガザで居場所を特定し解放するには時間が必要だ」とし、この作業を完了するには静かな環境が必要になるとの認識を示した。
ハマスは26日、イスラエルの空爆で人質約50人が死亡したと述べた。
イスラエルはロシアに対し、ハマス代表団を国外に退去させるよう要求。ハマスを招請したのは「遺憾だ」としている。
ロシアはイスラエル、イラン、シリア、パレスチナ自治政府、ハマスなど中東の主要勢力全てとつながりがある。
ロシアは現在の危機の原因は米外交政策の失敗にあると繰り返し主張。イスラエルとハマスに停戦を呼びかけ、和平調停に向けた交渉を再開するよう求めている。
また、タス通信によると、ハマスのロシア訪問団の別の高官はモスクワでイランのアリ・バーゲリ・カニ外務次官と会談し、ガザの停戦や住民への人道支援に向けた取り組みを協議した。同次官はイランがパレスチナの理念を強く支持していることも再確認した。モスクワのイラン大使館筋の情報として伝えた。