Arafat Barbakh Mohammad Salem
[ガザ 5日 ロイター] - イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザ南部に空爆と地上からの砲撃を実施し、攻勢を強めた。パレスチナ人に多数の死傷者が出ており、米国と国連は繰り返しイスラエルに民間人を保護するよう求めている。
イスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区を巡っては、イスラエル軍が11月に北部をおおむね掌握。1週間の戦闘休止が1日に期限切れると南部への地上侵攻が開始された。
イスラエルは4日、南部最大の都市ハンユニスのパレスチナ人住民に退避を要求。地中海沿いやエジプトと境界を接するラファへの移動を迫る格好となっている。
ハマスと共闘するガザの過激派「イスラム聖戦」は、ハンユニスの北と東の地域で戦闘員がイスラエル軍と激しく衝突したと明らかにした。
国連のデュジャリック報道官によると、グテレス事務総長は4日、イスラエルに「ガザのすでに壊滅的な人道的状況を悪化させるような一段の行動を避け、市民をこれ以上の苦しみから救う」よう訴えた。
報道官は「避難を命じられた人々にとって、安全な場所はどこにもなく、生き延びるすべもほとんどない」と述べた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は「避難命令は人々にガザ地区の3分の1にも満たない面積に集まるよう強いている。食料、水、シェルター、何よりも安全が必要だ。南部への道は渋滞している」と指摘した。
<大半の住民が自宅追われる>
イスラエル軍とハマスの8週間にわたる戦闘でガザの230万人の住人の8割が既に自宅から避難。
米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、イスラエルがガザの「攻撃禁止」区域を「攻撃しないことを期待している」と念を押した。
ガザの保健省による、戦闘開始以降、ガザのパレスチナ人少なくとも1万5899人が死亡。うち7割が女性と18歳未満の子ども。1日に戦闘が再開して以降は約900人が死亡した。