Andrew Chung John Kruzel Andrew Goudsward
[ワシントン 11日 ロイター] - 2020年の米大統領選に敗北した結果を覆そうとしたとしてトランプ前大統領を起訴したスミス特別検察官は11日、トランプ氏の刑事免責の申し立てについて迅速な審理を連邦最高裁で始めるよう求めた。最高裁は同日、直ちに検討に入り、トランプ氏側弁護団に20日までにスミス氏の要請に回答するよう命じる方針だと明らかにした。
トランプ氏は刑事裁判の被告になり得ないと申し立てていた。しかしワシントンの連邦地裁が1日、この主張を退けたことから、トランプ氏が控訴。これにより、24年3月4日に始まる予定のスミス氏が起こした訴訟の公判が宙に浮く形となる。
検察官が2審判決を経ずに最高裁に事件審理に関与するよう求めることは異例だが、24年11月5日に大統領選を控え、公判の進行は急を要するというスミス氏側の考えが反映されている。
共和党候補として最有力のトランプ氏が仮に大統領に再選すれば、連邦犯罪で起訴された事件全てにおいて自らを恩赦の対象としかねないからだ。
トランプ氏の起訴は計4件。同氏はいずれも政治的動機に基づくと反論している。
しかしスミス氏は最高裁に11日提出した書面で「われわれの民主主義の核心に対する根本的な問題を提示する事件」と指摘し、トランプ氏の主張は「全くの誤り」で最高裁だけが「明確に解決できる」と言明した。
さらにスミス氏は「刑事免責を訴える(トランプ氏の)主張に対する司法判断が最高裁で下され、さらに仮にトランプ氏の主張が退けられた場合に公判ができるだけ速やかに進むことこそ、公共的に極めて重要だ」と主張した。