Ryan Woo James Pomfret
[北京/台北 11日 ロイター] - 中国は11日、台湾総統選・立法委員(国会議員)選を13日に控え、大多数の台湾人民が「正しい選択」をすることを期待すると表明した。与党民主進歩党(民進党)の総統候補である頼清徳氏について、中台の衝突を引き起こす「極度の危険性」があると警告した。
中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官は声明で、頼氏は「台湾独立工作者」で、政権に就けば分離主義活動をさらに推進するだろうと主張。
「大多数の台湾同胞が民進党の『台湾独立』路線による極端な害悪と、頼氏が両岸の対立と衝突を引き起こす極度の危険性を認識し、両岸関係の岐路において正しい選択をすることを望む」とした。
頼氏は9日の記者会見で、当選した場合は台湾海峡の現状を維持し、台湾の強さを通じて平和を追求すると発言。平等と尊厳の原則の下で中国との関与に前向きな姿勢を取ると強調した。
陳報道官はこれについて、台湾独立は台湾海峡の平和とは相容れないと述べた。
一方、台湾外交部(外務省)は、中国が「再び露骨に台湾人民と国際社会を威嚇し」、選挙に影響を与えようとしていると非難した。
台湾の最大野党・国民党も頼氏を独立支持者として非難している。同党の副総統候補である趙少康氏は11日、外国人記者団に対し、もし頼氏が勝利すれば就任する5月20日よりも前に緊張が高まる可能性が高いと述べた。
国民党は中国とのより密接な関係を志向しているが、中国政府寄りであることは否定している。
頼氏は11日夜の集会で、台湾はすでに民主主義と自由の要塞になっているとし、正しい人物と正しい民主主義の道を選ばなければならないと表明。「謙虚にも傲慢にもならず現状を維持し、国の存続と発展を守る」と確約した。集会には20万人を超える支持者が参加した。