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韓国は「第1の敵国」、北朝鮮の金氏が憲法改正表明 戦争も辞さず

発行済 2024-01-16 07:20
更新済 2024-01-16 13:27
© Reuters.  1月16日、 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(写真)は韓国との統一はもはや不可能だと述べ、年末の演説内容を繰り返した。平壌で15日撮影。KCNA配信(2024年 ロイター)

Hyunsu Yim

[ソウル 16日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は15日、最高人民会議(国会に相当)で演説し、憲法を改正して韓国を「第1の敵国、不変の主敵」と定めて自国民を教育すべきだと表明した。また、北朝鮮は戦争を望んでいないが避けるつもりはないとの立場も示した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が16日に伝えた。

金氏は韓国との統一がもはや不可能というのが自身の最終結論だと述べ、韓国が北朝鮮の政権崩壊と吸収による統一を狙っていると主張した。

北の領土を南とは別のものと定義すべきだと表明。戦争が起きた場合、韓国を「完全に占領し、従属させ、編入する」計画を立てるべきとしたほか、韓国人をもはや同胞と呼ぶべきではないと述べ、南北間の連絡を全て絶ち、平壌にある統一に向けたモニュメントを破壊するよう求めた。

KCNAによると、南北統一や南北協力の観光事業などを担う3つの組織を廃止する。

北朝鮮は一連のミサイル実験を実施するなど、朝鮮半島を巡る情勢はこのところ一段と緊迫化している。

韓国の尹錫悦大統領は閣議で、北朝鮮が韓国を敵対国と呼ぶことは「反民族的」だと述べた。

アナリストらは、北朝鮮外務省が今後は対韓関係を担う可能性がり、将来戦争が起こった場合、韓国に対する核兵器の使用を正当化することにもつながりかねないと指摘している。

米首都ワシントンに拠点を置く北朝鮮分析サイト「38ノース」が先週公表したリポートによると、米国務省元高官のロバート・カーリン氏と核科学者ジークフリード・ヘッカー氏は朝鮮半島情勢について、1950年6月初め以来で最も危険との認識を示した。

「大げさに聞こえるかもしれないが、彼の祖父が1950年にそうしたように、金正恩氏が戦争をするという戦略的決断を下したと確信している」とした上で「金氏がいつ、どのように引き金を引くかは分からないが、危険性は北朝鮮の『挑発』について米韓日が定期的に行っている警告をはるかに超えるレベルに達している」とした。

また、ウィーン大学のルーディガー・フランク教授(東アジア経済社会論)は38ノース向けリポートで、金氏の新たな政策は「南北関係や地域力学に連鎖的な変化をもたらすだろう」と指摘。「これは外交正常化と潜在的な衝突の両方を含む、通常の国家間関係への扉を開くものだ」と記している。

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