Stephanie van den Berg
[ハーグ 31日 ロイター] - 国際司法裁判所(ICJ)は31日、2014年のマレーシア航空機撃墜事件への関与などについてロシアを訴えたウクライナの主張の大半を退けた。ウクライナは訴訟の目的を遂げられなかった形だ。
ウクライナは2017年、ロシアがウクライナ国内の親ロシア派に武器や資金を提供したのはテロ資金供与防止条約に違反するとしてICJに提訴。ICJは、ロシアは資金の一部がテロ活動に使われる可能性について事実関係を調べなかったことで同条約に違反したと指摘したが、損害賠償は退けた。
ロシアがマレーシア航空機撃墜事件に関与していたとの主張についてICJは、条約違反は金銭的支援に対してのみ適用され、ウクライナが主張する武器や訓練の供給には適用されないとして、判決を下さなかった。
一方ICJは、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島でウクライナ語の教育を保護しなかったことは人種差別撤廃条約に違反するとの判断を下したが、この件でも損害賠償は退けた。
ウクライナ政府のアントン・コリネビッチ代表は判決について記者団に、ロシアの国際法違反が初めて公式に認定されたため、重要だと述べた。