東京金融取引所(金融取)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」では、2月の取引数量は前月比24.6%増の244万9177枚、1日の平均取引数量は12万2459枚と前月比で増加した。
月末時点の証拠金預託額は4677億円と前月比で約13億円増加した。
取引通貨量では、米ドル、南アフリカランド、トルコリラ、豪ドル、メキシコペソの順となっている。
一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」では、2月の取引数量は前月比64.9%増の182万7417枚、1日の平均取引数量は9万1370枚と前月比で増加した。
月末時点の証拠金預託額は833億円と前月比で約47億円増加した。
取引数量トップは米ドル・円の59万3696枚(前月比45.4%増)であった。
2月19日公表の1月FOMC議事要旨において、FRBは現行の金融政策が適切であると認識していることが示唆されたことや、日本において10-12月期GDP一時速報値が市場予想を大幅に下回ったことや新型肺炎の国内での感染拡大への懸念が高まったことをうけ、ドル買い・円売りが活発になった。
ドル・円は20日の欧米市場では112円23銭まで上昇した。
しかし、米国内でも新型肺炎感染拡大の可能性が高まると、FOMC利下げ観測からドル売りが広がり、28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時107円51銭まで下落した。
トルコリラ・円は34万1359枚(前月比11.3%増)であった。
2月19日にトルコ中銀は政策金利を50bp引き下げることを決定。
市場参加者の間には、インフレ率の加速を背景に金利据え置きを見込む向きも少なからずあったことから、トルコリラは一段と下落する格好となった。
月末にかけてロシアとの関係悪化で地政学リスクが嫌気され、イランでの新型肺炎感染拡大の影響もあいまってトルコリラ売りが加速した。
3月のドル・円は不安定な値動きか。
2月28日にWHOが新型肺炎の危険性評価を最高レベルの「非常に高い」へ引き上げたことで「世界的流行」と認定されたととらえられ、経済的影響に対する各国の金融・財政政策に注目が集まっている。
FRBは3月3日、臨時FOMCが開かれ50bpの緊急利下げを決定したがドル売り優勢の展開は変わらず、さらなる追加緩和策や政府の財政政策が引き続き注目されそうだ。
日本では黒田日銀総裁が「必要な時に躊躇なく追加措置講じる」と述べており、具体的な追加緩和策や政府による財政政策が示唆されれば円売りにつながることも考えられ、中国経済指標や新型肺炎の感染拡大状況によりドル・円は不安定な値動きとなるだろう。
ユーロ・ドルは弱含みか。
ECBは既にマイナス金利を採用しておりこれ以上の利下げは考えづらく、ラガルドECB総裁は追加緩和に慎重姿勢を見せているため、FRBの金融政策への期待を背景としたユーロ買い・ドル売りは継続する可能性がある。