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SMK Research Memo(1):円高が業績を直撃も、部品メーカーだからできる新たな取り組みで更なる成長路線へ

発行済 2016-12-14 15:36
更新済 2016-12-14 16:00
SMK Research Memo(1):円高が業績を直撃も、部品メーカーだからできる新たな取り組みで更なる成長路線へ
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SMK (T:6798)は、コネクタなどの接続技術、リモコンなどの無線技術、スイッチ・タッチパネルなどの入力技術といったコア技術をベースに、幅広い部品を幅広い製品や市場に対し製造販売する部品メーカーである。
2016年3月時点で、アジア・米州・欧州を中心に世界各国に46の拠点を持ちワールドワイドに事業展開している。


取り扱う製品ごとに編成された3事業部制を採用する。
CS(Connection System)事業部では主にコネクタを扱っており、スマートフォンなどに使われるものから太陽光のソーラーパネル接続用まで、大小様々なコネクタを扱っているのが特徴だ。
FC(Functional Components)事業部ではOEM生産するリモコンを中心に、スイッチや車載用カメラモジュール、RFモジュール等を幅広く取り扱う。
また、TP(TouchPanel)事業部では、抵抗膜方式・光学方式・静電容量方式の各方式に対応したタッチパネルを生産。
特にカーナビ等の車載機器用の抵抗膜方式のタッチパネル市場では、同社の存在感は大きい。


2017年3月期第2四半期累計の業績は、売上高が前年同期比19.3%減の31,708百万円、営業利益が同71.0%減の747百万円、経常損失が853百万円(前年同期は2,879百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,079百万円(前年同期は2,077百万円の利益)と、好業績だった2016年3月期から一転、減収減益となった。
2015年3月には120円だった為替相場が、100円近くまで急激に円高に推移したことが主な要因。
為替差損の計上額は20億円にも及ぶ。
為替以外にも米国市場でスマートフォンメーカーの生産調整や、新製品の第3四半期以降へのスライドなど、想定外の要因が発生。
各事業部別や市場別に見ても減収減益と苦戦した格好だ。


2017年3月期通期の業績予想は、為替相場の動向や第2四半期までの業績を受け、売上高で前期比14.9%減の65,700百万円、営業利益で同37.7%減の2,600百万円、経常利益で同63.3%減の1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同58.9%減の1,100百万円と減収減益の予想だ。
為替レートが120円まで円安が進んだ前期には及ばないものの、営業利益はここ数年では前期に次ぐ予想を掲げており、減収減益ながら今後の動きに注目したい。
採算性の良い新製品や生産性の向上が利益押し上げ要因になるとみられる。
なお、同社では2017年3月期第3四半期以降の為替レートを1米ドル100.00円としているため、直近の為替レートで推移すれば、利益上振れ要因になると言えそうだ。


同社では中期経営計画を対外的に発表していないが、長期的な成長戦略を描いているようだ。
完成品メーカーのニーズに柔軟に対応しながらも、自ら積極的に新たな市場の開拓や新製品開発につなげたい構え。
こうした部品メーカーに捉われない方針は、90周年を迎えた2015年から掲げている新しい経営戦略スローガン「CreativeConnectivity」に表れている。
実際にこうした戦略の成果も出てきている。
スロバキアのLogomotion, s.r.o.との合弁会社によるモバイル決済市場への参入はその1つ。
早ければ2017年3月期第4四半期頃から業績に寄与する可能性もありそうだ。


■Check Point
・3つの事業セグメントを柱にワールドワイドに展開する部品メーカー
・17/3期上期までは急激な円高の影響で16/3期から一転、減収減益で着地
・部品メーカー側から創出する新たな市場で更なる成長へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 香川 大輔)

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