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エスプール Research Memo(4):17/11期は売上高、営業利益、経常利益が連続で過去最高を更新する見込み

発行済 2017-02-08 16:08
更新済 2017-02-08 16:33
エスプール Research Memo(4):17/11期は売上高、営業利益、経常利益が連続で過去最高を更新する見込み
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■今後の見通し

(1) 2017年11月期業績見通し

エスプール (T:2471)の2017年11月期の連結業績は、売上高で前期比17.2%増の10,824百万円、営業利益で同14.8%増の583百万円、経常利益で同15.0%増の571百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.0%減の334百万円となる見通し。
税負担の正常化により当期純利益が減益となるが、売上高、営業利益、経常利益は連続で過去最高を更新する見通しだ。
ビジネスソリューション事業、人材ソリューション事業ともに2ケタ成長を見込んでいる。
スマートメーター設置業務に関しては、2017年度分の受注契約が2月に実施される見込みで、未確定なことから業績計画には前期比で減収減益と保守的に織り込んでいる。
また、販管費は前期比16.0%の増加を見込んでいるが、増加要因としては人件費に加えて派遣スタッフ募集費やコーポレート機能強化のための業務委託費等の増加を見込んでいる。


業績を半期ベースで見ると、上期は売上高で前年同期比21.1%増収となるものの、営業利益は同18.0%減益を見込んでいる。
減益要因は、上期に先行投資が集中することに加えて、収益性の高い障がい者雇用支援サービスの農園販売が下期に偏重することが要因となっている。
特に、第1四半期については農園販売の予定がないこと、通販代行サービスの新物流拠点となる「葛西物流センター」を2017年1月に開設したことに伴う投資費用が計上されることから、20〜30百万円程度の営業損失が見込まれている。
とはいえ、通期で見れば2ケタ増収増益が続く見通しであり、業績が成長フェーズに入っていることに変わりはない。


(2) 2017年11月期の事業方針

同社では2017年11月期に取り組む基本方針として「持続的成長の実現に向けた経営基盤の構築」を挙げており、そのための施策として、「短期的な収益の確保と中長期的な成長の両立」「新たな収益機会の獲得」「組織力の強化」の3つを掲げている。


派遣業界を取り巻く環境は、AIやIoTといったIT技術の進化、労働力人口の減少、超高齢化社会の到来、働き方改革の推進、外国人労働者受け入れための規制緩和等、日々変化しており、こうした環境変化に柔軟かつ迅速に対応し、既存事業の強化だけでなく、その派生事業や新規事業の創出を図ることで持続的な成長を可能とする経営基盤を構築していく考えだ。


また、新たな収益機会の獲得を目指し、今後成長が見込まれる事業領域において、事業シナジーが期待できる企業へのマイノリティ出資を2016年11月期に実施しており、今期はこうした新規分野への展開を進めていく方針となっている。
具体的には、看護・介護・保育業界向け人材サービスへの本格進出を目的に、製薬業界に特化した転職・求人サイト「製薬オンライン」の運営や人材マッチングシステムの開発販売を行っているオンウェーブ(株)に出資(出資額15百万円、出資比率14.9%)した。
オンウェーブの開発リソースを活用して、看護・介護・保育業界専用の求人サイトを2017年3月までに開発して行く予定となっている。
看護・介護・保育業界は人手不足が特に深刻化している業界であり、人材派遣の需要は旺盛なことから、同社でも今後専用サイトを使って本格的にサービスを開始していく計画となっている。


さらに、外国人材サービスにも注力していく計画で、アジア(中国、ベトナム、カンボジア)に特化した人材紹介やコンサルティング、受入れのための研修サービスを行う(株)グローバルアークスにも出資している(出資額80万円、出資比率10%)。
なお、グローバルアークスは、2016年4月に同社からスピンアウトして設立された企業となる。
同社では、外国人の技能実習制度の対象職種が拡大したこと(介護分野)や、慢性的な人材不足が続いている外食、サービス業界向けなどでの需要があると見ており、今後注力していく方針となっている。


組織力の強化については、主要子会社において社長を新たに任命して、従来兼務していた同社の浦上社長は、グループ経営に集中することとしたほか、コーポレート部門の強化(グループガバナンス及び経営管理体制の強化、事業部門の支援体制拡充)に加えて、2016年12月に札幌に、IT開発拠点を新設した。
開発業務の内製化により、開発スピードの向上とアイデアの具現化の促進を図ることを狙いとしている。


(3)事業セグメント別の見通し

a)ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の今期売上高は前期比15.9%増の3,986百万円、営業利益は同13.5%増の662百万円となる見通し。


サービス別で見ると、ロジスティクスアウトソーシングサービスは、売上高が前期比9%増の1,140百万円と3期ぶりの増収となり、営業利益も15百万円の増益を見込んでいる。
物流センター運営代行サービスの売上高は前期の352百万円から今期は240百万円縮小するが、通販の発送代行サービスが同様に694百万円から900百万円へ伸長する見込みとなっている。


なかでも、リピート商材(化粧品、健康食品、サプリメント等)のネット通販企業の顧客が拡大する。
同領域に強みを持つECサイトの構築・コンサルティング企業であるスタークス(株)と事業提携してから、物流アウトソーシングのニーズがある顧客の紹介が増加しているためだ。
前期も40社を超える新規受注を獲得している。
リピート商材についてはこれまでの商材と比較して面積当たりの月間売上が2〜2.5倍と高いため収益性も高くなる。


新規顧客の増加を見越して「葛西物流センター」を立ち上げたが、上期は賃借料など固定費負担が先行するため同センターだけで10〜15百万円の赤字となる見通し。
単月では8月からの黒字化を見込んでいる。
通期では同センターだけで約2億円の売上高を見込んでいる。
また、同センターの能力としては年間で4億円程度までは可能と見られる。
同社ではロジスティクスアウトソーシングサービスの事業規模を早期に25億円程度まで拡大していく考えで、来期以降も需要動向を見ながら物流センターを増やしていく方針となっている。


障がい者雇用支援サービスの売上高は前期比37%増の1,217百万円と高成長が続く見通し。
営業利益は60百万円の増益を見込んでいる。
農園の販売区画数は前期比22%増の430区画(上期198、下期232)を見込んでいる。
販売区画数の伸びよりも増収率が高いのは、ストック収入となる月額の農園管理料が順調に増加しているためだ。
販売区画については既に90区画を受注済みであり、引き合いが依然旺盛なことから計画は保守的とみられる。
なお、既存の農園の販売余力は前期末時点で274区画あり、計画達成のためには新たに1農園(約160区画)の開設が必要となる。
ただ、同社では来期以降の需要に対応するため、今期中に2〜3ヶ所の農園開設を目指している。
現在、千葉エリアで数ヶ所交渉中となっているほか、他県で行政との連携による農園開設の可能性もある。
具体的には、東京、神奈川、埼玉のほか、関西エリアや愛知県等の地方自治体から問い合わせがあり、今後進出に向けた交渉を進めていく予定だ。


事業環境としては引き続き高成長が見込まれている。
2018年には障害者雇用促進法の改正により、企業の法定雇用率が現状の2.0%から2.4%に引き上げられる見込みとなっているためだ。
2016年における障がい者の雇用者総数は約47.5万人(雇用率1.92%)となっており、2.4%達成のためには新たに約11.5万人の雇用需要が発生することになる。
また、改正法では精神障がい者の雇用義務化が新たに加わる見込みとなっていることから、精神障がい者を対象とした新サービスの開発も進めていく予定となっている。


フィールドマーケティングサービスの売上高は、前期比25%減の700百万円、営業利益は65百万円の減少を見込んでいる。
前述したとおり、まだ2017年度分の受注が確定していないため保守的な見通しとなっている。
東京電力のスマートメーター設置プロジェクトにおいて、第1次の受注額(2015年7月〜2017年3月)は約15億円であった。
2016年11月までの累計売上高としては約11億円(うち約1億円は電力小売り自由化に伴うスポット売上)となっている。
直近では工事計画の変更があり、作業件数が減少した模様ではあるが、約3億円の受注残は残っていると思われる。
また、2017年度の東京電力管内のスマートメーター交換の作業件数がほとんど変らない見通しであること※、スポット業務や関連業務などの追加業務を獲得する可能性があることなどから、売上高の上積みは十分可能と弊社では見ている。


※東京電力は管内の2,700万世帯のメーターを2020年までに毎年、使用期限が切れる世帯を対象に500万台ペースで交換していく予定。
ただ、2016年4月から開始した電力小売り自由化に伴うスマートメーターへの交換台数は2016年9月末までに約108万台となっており、交換需要がやや先食いされている状況になっていると見られる。


その他業務のうち、セールスサポート業務は大型案件を中心に前期比25%増の500百万円、プロフェショナル人材バンクサービスは同33%増の200百万円、求人応募受付代行サービスは同144%増の220百万円とそれぞれ増収を見込んでいる。
このうち求人応募受付代行サービスに関しては、サービスの高付加価値化を目指している。
具体的には、同サービスで取得した幅広い業界(外食、小売、介護、製造等)の求人・応募者情報のデータを収集・分析し、企業の人材採用にかかる費用対効果の最大化を実現するコンサルティングサービス(募集広告の効率化、採用ミスマッチの抑制、定着率向上、勤務シフト最適化支援等)へと展開していく考えだ。
そのためには基礎となるデータ量を増やしていく必要があり、現在50社の受注契約数を100社まで拡大することを目標としている。


b)人材ソリューション事業
人材ソリューション事業の売上高は前期比19.3%増の6,958百万円、営業利益は同13.1%増の598百万円を見込んでいる。
コールセンター業務についてはグループ型派遣によるインストアシェアの拡大によって前期比19%増の5,105百万円に、店頭販売支援についても家電量販店を中心に同27%増の1,613百万円といずれも2ケタ成長が続く見通しだ。


高成長を持続するために、人材ニーズの高い地域を中心に2〜3支店の新規開設を計画している(2016年12月に新宿に1店舗開設済み)。
また、新規分野として看護・介護・保育業界向け人材サービスを前期後半より開始しており、今期は専用求人サイトの開設により売上拡大を推進していく方針となっている。
同社では2020年度までに同事業セグメントで売上高100億円の達成を目指していく考えだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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