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アーバネット Research Memo(7):上期決算は直接販売の寄与等により、ほぼ計画どおりの好決算

発行済 2017-04-03 15:36
更新済 2017-04-03 16:00
アーバネット Research Memo(7):上期決算は直接販売の寄与等により、ほぼ計画どおりの好決算
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■業績動向

2. 2017年6月期上期決算の概要
アーバネットコーポレーション (T:3242)の2017年6月期の上期業績は、売上高が前年同期比36.0%増の10,690百万円、営業利益が同92.6%増の1,761百万円、経常利益が同120.8%増の1,632百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同129.9%増の1,117百万円と大幅な増収増益であった。
期初予想に対しては売上高が期ずれの影響で若干未達となったものの、ほぼ計画どおりの進捗と言える。


主力の不動産開発販売事業が大きく伸長した。
自社開発による投資用マンションの販売戸数が6棟285戸(前年同期比3戸減)とほぼ横ばいであったものの、そのうち4棟232戸が1棟一括直接販売であったことから販売単価が前年同期を上回ったことが要因である(前年同期の直接販売は1棟29戸)。
投資家への直接販売は、通常の販売会社経由に比べて同社は高く販売することができ、投資家は安く購入することができるという点で双方にメリットが生じるため、その効果を享受する格好となった。
また、大型の用地転売があったことも増収に貢献したようだ(10億円超と推定)。
一方、不動産仕入販売事業については、特殊要因※のあった前年同期と比べて減収となっているが、常態化した水準に戻ったと評価するのが妥当だろう。
また、その他事業が伸びているのは、不動産収入の増加と想定外の仲介手数料によるものである。
2016年12月末時点における自社保有の賃貸収益物件については新たに取得した1棟を含めて5棟程度となっているが、上期決算では1億円弱の不動産収入となっているようだ。
なお、期初予想に対して、売上高が若干未達となったのは、竣工済物件の販売に一部期ずれが生じたことが要因であるが、通期業績に影響はない。


※前年同期は他社物件の1棟販売(30戸)を手掛けた(イレギュラーな事例)。


利益面では、1棟一括直接販売の増加に伴う販売単価の向上により売上総利益率が大きく改善した。
一方、販管費は1棟一括直接販売に係る仲介手数料等により増加したものの、売上総利益の増加により吸収することで営業増益となり、営業利益率も16.5%(前年同期は11.6%)と大きく上昇している。
もっとも、この水準を実現できたのは4棟の1棟一括直接販売が上期に集中したことによるものであり、特殊要因として捉える必要があるだろう。


財政状態については、総資産が「現金及び預金」や「販売用不動産」、「有形固定資産」の増加等により21,429百万円(前期末比13.1%増)に拡大したが、自己資本も内部留保の積み増しにより6,768百万円(同15.5%増)に増えたことから自己資本比率は31.6%(前期末は30.9%)に若干改善している。
なお、「有形固定資産」の増加(前期末比852百万円増)は、自社保有の賃貸収益物件1棟を追加取得したことが主因である。


また、キャッシュフローの状況については、営業キャッシュフローがプラスとなっているところがポイントとなっている。
大幅な増益による資金流入に加えて、棚卸資産の拡大にブレーキがかかったことが要因である。
また、投資キャッシュフローは賃貸収益物件の取得によりマイナスとなったものの、財務キャッシュフローが長期借入れによる収入によりプラスとなったことから、「現金及び預金」は大きく増加した。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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