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宇徳 Research Memo(5):邦船3社がコンテナ船事業を統合へ

発行済 2017-06-12 15:34
更新済 2017-06-12 16:00
宇徳 Research Memo(5):邦船3社がコンテナ船事業を統合へ
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■事業概要

5. 日本のコンテナ船業界の再編
(1) 日本海運3社がコンテナ船事業の共同出資会社を設立へ
2016年10月に、宇徳 (T:9358)港湾事業の主要顧客である商船三井は、日本郵船 (T:9101)並びに川崎汽船 (T:9107)と定期コンテナ船事業の統合を決めた。
2017年7月に共同出資会社を設立する。
合弁企業への出資額が約3,000億円、出資比率は日本郵船が38%、商船三井と川崎汽船が各31%となる。
2018年4月から共同サービスを開始する。
船隊規模は約140万TEU(20フィート・コンテナ換算)となり、世界シェアは約7%と6位に上昇する。
売上高は約2兆円となる。


世界のコンテナ船市場では、デンマークのAPM-マークスが約15.6%のトップシェアを持ち、スイスのMSCが13.4%で続く。
この2社で世界最大の国際共同運航連合体である「2M」を組成していた。
同アライアンスに、2017年4月から韓国の現代商船が加入し、名称が「2M+H」となった。
海運業界では、コンテナ定期船のグローバル・ネットワークの維持と巨額の投資をシェアする海運アライアンスが進んでいる。
従来は、圧倒的なシェアを誇る「2M」と「G6」、「OCEAN 3」及び「CKYHE」が存在していた。
各アライアンスが再編されて、2017年4月に「オーシャン・アライアンス」と日本企業3社が加入する「ザ・アライアンス“THE Alliance”」が結成され、サービスを始動した。


オーシャン・アライアンスは、第3位のフランスのCMA CGM、中国の中国遠洋運輸集団、台湾のエバーグリーン、香港のOOCLがメンバーとなる。
当初は、世界トップ3によるアライアンスが計画されたが、中国の反対にあったため2Mを結成、CMA CGMが離脱した。
その第3位企業と中国遠洋海運が組んだ。
中国は、2016年2月に政府主導で中国1位と2位の会社を合併させ、コンテナ事業を中国遠洋海運に統合した。


日本企業が加入するザ・アライアンスのメンバーは、ドイツのハパックロイドと台湾の陽明海運になる。
当初は、世界8位で、韓国最大手の韓進海運が加わる予定だったが、2016年10月に経営破たんし、外れた。


邦船3社が加盟する「ザ・アライアンス」は、2017年3月に計画している航路のマイナーチェンジを発表した。
同連合は、約240隻のコンテナ船を運航し、75港を超える直接寄港地、32サービスによる広範なネットワークを組成する。
そのうちは、東京港に寄港するのは6サービスで、1サービス当たり1回か2回の寄港になる。
具体的には、アジア/北欧州航路が1サービス(1回のみ)、アジア/北米西岸航路が4サービス(1サービスが1回、3サービスが2回)アジア/北米東岸航路が1サービス(2回)である。


(2) 邦船3社のコンテナ船事業の収益
コンテナ取扱量から見た世界主要港ランキングで、東京港は2001年の18位から2015年に30位へ転落した。
中国が世界の工場の役割を担ったことから、2015の上位10港のうちトップの上海港を含む7港を占めた。
中国以外では、24時間操業を行うハブ港として、シンガポール港(シンガポール、2位)、釜山港(韓国、6位)、ドバイ港(UAE、9位)が入った。
順位は下がったとはいえ、東京港の取扱量は2001年の2,770千TEUから2015年は4,895千TEUに増加した。


邦船3社は、コンテナ事業を主体に構造改革に関連する特別損失が発生し、当期純損失の合算額が2016年3月期に△2,037億円、2017年3月期に△4,000億円に上った。
2018年3月期は、3社とも黒字転換を予想し、利益額は360億円を予想している。
コンテナ船事業は、多くの主要航路において運賃の歴史的低水準が長期化したため、保有する全船舶の帳簿価格を将来回収可能な水準まで減損し、余剰船舶を一部売船した。
コンテナ船事業では、商船三井が2017年3月期まで6期連続して経常損失を計上した。
商船三井の2017年3月期のコンテナ事業の売上高は3社中最大となるが、経常損失も最も大きい328億円となった。
しかし、同下期は、荷動きが活発になり、運賃水準も回復したことから、コンテナ船事業の経常損失は△114億円と同上期の△213億円からほぼ半減した。
2017年3月期における3社のコンテナ船事業(日本郵船は「定期船事業」)の経常損失は△770億円と予想よりも赤字幅が200億円少なくなった。
事業統合によるシナジー効果は、スケールメリットとコスト削減により年間1,100億円を見込んでいる。


邦船3社のコンテナ船事業の再編により同社への影響を推測することは難しい。
商船三井の場合、東京港の貨物取扱量は全世界の1割に満たない。
コンテナ船事業の再編は、海外から始まり、その進展を見てから国内事業を検討すると思われる。
東京港大井ふ頭のコンテナターミナルは、川崎汽船が1−2号バース、商船三井が3−4号、日本郵船が6−7号を使用している。
東京税関貿易統計の動向が、必ずしも同社の取扱量と連動しているわけではない。
2016年度の東京港の輸出入額は、前年度比5.5%減であった。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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