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ハピネット Research Memo(6):映像事業とゲーム事業でヒット作出現の公算、利益上方修正の可能性がある

発行済 2017-06-23 16:06
更新済 2017-06-23 16:33
ハピネット Research Memo(6):映像事業とゲーム事業でヒット作出現の公算、利益上方修正の可能性がある
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■今後の見通し

1. 2018年3月期の業績見通し
ハピネット (T:7552)の2018年3月期の連結業績は、売上高180,000百万円(前期比3.4%増)、営業利益4,200百万円(同13.6%増)、経常利益4,000百万円(同14.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,500百万円(同22.5%増)が予想されている。
全ての事業セグメントで増益を見込んでいるが、後に述べるように映像音楽事業でヒット作が出る可能性があり、ビデオゲーム事業においても「Nintendo Switch」のソフト販売次第では大幅増益の可能性はある。
そのため、今期の予想利益が上方修正される可能性は高く、今後の各商品の販売動向は大いに注視する必要がありそうだ。


2. 全社基本方針と重点施策
同社は、「新たな成長に向け、組織改編を行い、事業領域の拡大と業務改革を推進する」を全社の基本方針として掲げ、以下のような重点施策を実行していくと述べている。


(1) 重点施策
a) 事業領域拡大のためのアライアンスを積極的にはかっていく
b) 成長実現のために新規商材の取扱いを推進する
c) 業務改革を推進し、利益率の向上をはかる
d) 企業価値向上のための資本政策を推進し、磐石な経営体制を構築する

(2) 組織改編
上記の基本方針を遂行するために、大きな組織変更を実行した。
以前は、同社の各事業はそれぞれの中で「流通業」(卸売業)と「メーカー業」(自社製品の開発や自社作品の製作)」に分かれていたが、今回この「流通」と「メーカー」の壁を取り払い、映像・音楽とビデオゲームを「デジタル事業本部」とし、残りの事業を社長直轄の組織とした。
この組織変更の狙いは、「流通」と「メーカー」の壁を取り払うことで、それぞれの事業の中で利益を生み出すために何が求められ、何が必要で、何をすべきかを共有させるためである。


(3) アライアンスの強化
今後、優良なIP(Intellectual Property、知財)を保有する企業との協業を積極的に進め、同社の4事業の成長・発展を図っていく方針だ。
これを実行するために、2018年3月期にはアライアンス専門の部署「事業企画部」を設置した。


3. 2018年3月期のセグメント別見通しと重点施策、期待商品
(1) 玩具事業
売上高75,000百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益3,250百万円(同6.7%増)が予想されている。
特別に大きなヒット商品を見込んでいないことから、前期比微増収、微増益の予想となっている。
以下のような施策を実行する計画だ。


a) 市場シェアの拡大を図る
1)ホビー商材のシェア拡大を目指す
2)同社限定の流通商材の拡大を目指す(例:Halloween Collection)
3)既存販売先の取扱商材拡大と販売チャネルの新規開拓を推進する

b) 業務内容や人員体制を見直し、安定した利益の創出を図る
1)重要予測に基づいた仕入精度の向上により処分損金の圧縮を図る
2)組織体制を見直し、効率化を図る

期待される商品群としては、「宇宙戦隊キュウレンジャー」、「マイワンダフルディズニーパソコン」、「キラキラ☆プリキュアアラモード」、「ベイブレード」などがある。
また同社のオリジナル商品としては、「ホバーシャーク」、「おえかきピカットボード」などが期待されている。


(2) 映像音楽事業
売上高は37,000百万円(同6.0%増)、セグメント利益550百万円(同31.4%増)と増収・増益を予想している。
増益率は高いが、利益の増加額は必ずしも多くはない。
重要施策は以下のようである。


a) メーカー販社化に向けた機能を強化する
1)大手販売店の販売支援を強化し、売上の最大化を図る
2)販売チャネルの新規開拓を推進する

b) 自社幹事、出資作品において確実に利益を創出する
1)劇場ヒット作品をパッケージ、ライツ販売につなげるビジネスモデルを構築する
2)時期公開作品の製作に着手する

期待される作品として、制作では「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、「DRAGONBALL超」、「ブラッド・ファーザー」など、パッケージでは「ローグ・ワン」、「君の名は。
」、「SING/シング」、「この世界の片隅に」などがある。
また同社幹事作品では、(株)KADOKAWA(カドカワ (T:9468))人気ノベル2作品(「ゼロから始める魔法の書」、「天使の3P!」)をアニメ化する。


映像音楽事業のセグメント利益は、現時点では上記のように僅かな増益見込みとなっているが、ヒットの可能性のある作品が2つある。
1つ目は、同社幹事作品として劇場上映された「キセキ−あの日のソビト−」で、興行収入は1,480百万円のヒットとなったが、これのパッケージ版(Blu-ray及びDVD)が7月から発売される。
ヒット状況によってはセグメント利益増に大きく貢献しそうだ。


2つ目の期待作品は、パッケージとして同じく7月に発売される「君の名は。
」である。
こちらも映画の興行収入は250億円超を記録しており、あの大ヒット作「アナと雪の女王」に匹敵する作品と言われている。
そのため、パッケージ商品としてもヒットする公算が高く、セグメント利益の上乗せが期待できる。


(3) ビデオゲーム事業
売上高は46,000百万円(前期比2.7%増)、セグメント利益450百万円(同17.0%増)を予想している。
重点施策は以下のようになっている。


a) 「Nintendo Switch」の販売最大化を図る
1)各販売チャネルに最適な支援策を提案、実施する
2)任天堂販売(株)との協働により、流通、サービスの最適化を図る

b) 同社独占流通商品とゲーム周辺商材の拡大により、利益率の向上をはかる
独占流通ソフト+アクセサリ+キャラクターグッズ+VR

期待される商品としては、「Nintendo Switch」専用ソフト「スプラトゥーン2」(2017年7月21日発売予定)、同「スーパーマリオオデッセイ」(2017年発売予定)、ニンテンドー3D及びPlayStation4向けソフト「ドラゴンクエストXI」(2017年7月29日発売予定)、PlayStation4専用ソフト「NewみんなのGOLF」(2017年8月31日発売予定)などがある。
一方で、同社のオリジナル商品としては、「国内女児向けカテゴリー」を継続的に展開し、年末商戦期のリリースに向けて開発を進めている。
また「新規カテゴリー」でも、自社オリジナルタイトルを第3四半期のリリースに向けて開発中である。


(4) アミューズメント事業
売上高22,000百万円(同6.5%増)、セグメント利益1,350百万円(同5.3%増)を予想している。
重点施策は、以下のようである。


a) 優良ロケーションの開発を強化し、売上の最大化をはかる
1)交通系ロケーションでの販売拡大を目指す
2)新規販売チャネルのビジネスモデルを構築する

b) オリジナル・独占販売商品の拡大と既存ロケーションの見直しにより利益率の向上をはかる
1)独占販売商品を拡大する
2)オリジナル商品の拡大を目指す
3)既存ロケーションの見直しを行う

商品ラインアップとしては、「仮面ライダーブットバソウル」、「ドラゴンボールヒーローズ」、「ディズ二ーキャラクター関連」、その他国民的アーティスト、TVゲーム、アニメ関連の強力コンテンツのカプセルトイを継続的に販売していく。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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