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ルネサスイーストン (T:9995)は技術系エレクトロニクス商社で、ルネサスエレクトロニクス (T:6723)の有力特約店である。
取扱商品はルネサスエレクトロニクス製半導体が中心となっているが、海外製品を中心に同社が独自に開拓してきた商材の拡大にも力を入れている。
1. 中期経営計画『Project“C”』は順調な滑り出し
同社の2017年3月期は売上高77,581百万円(前期比1.0%減)、営業利益1,168百万円(同20.9%増)と微減収ながら増益で着地した。
同社は2017年3月期を初年度とする新中期経営計画『Project“C”』に取り組んでいるが、売上高は為替変動等の影響も若干有り未達となったものの利益は超過達成し、順調な滑り出しとなった。
個々の商材の売上総利益率引き上げに向けた業務改革の効果や、製品ミックスの改善などが合わさって売上総利益率が前期比0.4ポイント改善したことが貢献した。
2. IoTやADASのワンストップソリューション提供の体制が整う
IoTやADASは技術開発から実用化・運用のステージへと進みつつある。
IoTの在り方や使われ方が具体的なものと見えつつあるなか、センサと無線通信が頭脳たるマイコンの脇を固める重要部品として明確になってきた。
同社はそれらに関してビジネスパートナーを確保し、事業基盤を着実に固めている。
また、セキュリティなどの新たな技術的課題が浮上してきていることに対しては、同社は端末からネットワークに至る各レイヤーに、セキュリティの商材・技術を有している。
IoT/ADASの本格的立ち上がり期を迎えてワンストップソリューションを提供する体制が整い、今後はその実行に注力していくことになる。
3. 2018年3月期見通しは中期経営計画の当初計画から下方修正も、利益面では上振れの可能性
2018年3月期について、同社は売上高80,000百万円(前期比3.1%増)、営業利益1,290百万円(同10.4%増)を予想している。
中期経営計画の当初計画に比べて新規商材の立ち上げ遅れ等により売上高で6,000百万円、営業利益で230百万円の下方修正となった。
弊社では、利益面に関しては同社の業績予想は控え目であり、製品ミックスの改善や厳格なコストコントロールの実行などの要因により、予想比上振れとなる可能性は十分あるとみている。
■Key Points
・ソフトウェア技術、センサと無線(通信)のモジュール化、セキュリティ技術の3つの柱で成長を狙う
・CSB製品拡大の重要性は不変。
収益性改善と収益安定性に寄与すると期待される
・“ワンストップソリューション”をプロアクティブに実行して成長へつなげる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)