■2018年3月期の重点取り組み
3. IoT/ADAS技術の取り組みとワンストップソリューションの強化
先に“ルネサスエレクトロニクス製品の売上・デザイン-イン強化の取り組み”の項で述べたところとも重なるが、IoTやADASが具体的なイメージを持って事業化が進みつつあるなかで、ルネサスイーストン (T:9995)の関わり方、活躍の仕方、あるいは収益拡大のシナリオも、より具体的にイメージできるようになってきた。
その中で改めて浮かび上がってきたのが「ワンストップソリューション」だ。
ルネサスエレクトロニクスのマイコンを取り次いでいれば儲かった時代はとうに過ぎ、同社はカスタム化やソフトウェア(マイコンへの組込みソフト、ミドルウェアなど)の開発の領域を強化し、顧客側の業務を肩代わりするレベルのサポートを組み合わせてマイコン販売のビジネスを展開している状況にある。
その好例が茨城デザインセンター(IDC)の開設だ。
IDCは顧客の開発支援強化のための施設であり、自動車業界の共通標準ソフトウェアアーキテクチャであるAUTOSARの開発支援などを行っている。
こうした業務を通じて顧客の開発部門との関わりを深め、ニーズを早期に把握して提案営業の効率性を高め、マイコンの売上を伸ばす狙いがある。
現在では、顧客側から見ても同社のソフト開発部隊が不可欠な存在となっており、ソフトウェア技術を生かした同社の販売戦略は、期待どおりの成果を挙げつつある状況だ。
前述のように、ADASやIoTに関して、実用化のための技術開発から実際の運用へと視点が移りつつあるなかで、セキュリティなどの新たな技術的課題が浮かび上がってきた。
同社は実用化技術の確立の過程において、各種センサや無線技術(各種無線デバイスを含む)、新商材(電源、電池、SSDなど)に関してビジネスパートナーの育成・確保を急速に進めている状況だ。
加えて、セキュリティ技術についても従来から各レイヤーに応じた複数の技術・商材を保持している。
以上のように、IoT/ADASなどの本格的な立ち上がりを迎えて、同社は要素技術や商材のラインアップを整え、必要とされるものをワンストップで提供する体制が整った。
ただし、品ぞろえを整えたで終わってしまっては、将来の成長につながらないと弊社では考えている。
ここから同社が強化すべきことは、ワンストップソリューションの提案を同社がプロアクティブに行っていくことだ。
それが採用されれば同社が付加価値を取り込んだことになり、従来よりも高いマージンを獲得することにつながると期待される。
今回同社が“ワンストップソリューションの強化”を重点取り組み事項として掲げた背景には、『プロアクティブに動く』という同社自身の強い意志の表れだと弊社では理解している。
今後の推移を期待を持って見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
3. IoT/ADAS技術の取り組みとワンストップソリューションの強化
先に“ルネサスエレクトロニクス製品の売上・デザイン-イン強化の取り組み”の項で述べたところとも重なるが、IoTやADASが具体的なイメージを持って事業化が進みつつあるなかで、ルネサスイーストン (T:9995)の関わり方、活躍の仕方、あるいは収益拡大のシナリオも、より具体的にイメージできるようになってきた。
その中で改めて浮かび上がってきたのが「ワンストップソリューション」だ。
ルネサスエレクトロニクスのマイコンを取り次いでいれば儲かった時代はとうに過ぎ、同社はカスタム化やソフトウェア(マイコンへの組込みソフト、ミドルウェアなど)の開発の領域を強化し、顧客側の業務を肩代わりするレベルのサポートを組み合わせてマイコン販売のビジネスを展開している状況にある。
その好例が茨城デザインセンター(IDC)の開設だ。
IDCは顧客の開発支援強化のための施設であり、自動車業界の共通標準ソフトウェアアーキテクチャであるAUTOSARの開発支援などを行っている。
こうした業務を通じて顧客の開発部門との関わりを深め、ニーズを早期に把握して提案営業の効率性を高め、マイコンの売上を伸ばす狙いがある。
現在では、顧客側から見ても同社のソフト開発部隊が不可欠な存在となっており、ソフトウェア技術を生かした同社の販売戦略は、期待どおりの成果を挙げつつある状況だ。
前述のように、ADASやIoTに関して、実用化のための技術開発から実際の運用へと視点が移りつつあるなかで、セキュリティなどの新たな技術的課題が浮かび上がってきた。
同社は実用化技術の確立の過程において、各種センサや無線技術(各種無線デバイスを含む)、新商材(電源、電池、SSDなど)に関してビジネスパートナーの育成・確保を急速に進めている状況だ。
加えて、セキュリティ技術についても従来から各レイヤーに応じた複数の技術・商材を保持している。
以上のように、IoT/ADASなどの本格的な立ち上がりを迎えて、同社は要素技術や商材のラインアップを整え、必要とされるものをワンストップで提供する体制が整った。
ただし、品ぞろえを整えたで終わってしまっては、将来の成長につながらないと弊社では考えている。
ここから同社が強化すべきことは、ワンストップソリューションの提案を同社がプロアクティブに行っていくことだ。
それが採用されれば同社が付加価値を取り込んだことになり、従来よりも高いマージンを獲得することにつながると期待される。
今回同社が“ワンストップソリューションの強化”を重点取り組み事項として掲げた背景には、『プロアクティブに動く』という同社自身の強い意志の表れだと弊社では理解している。
今後の推移を期待を持って見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)