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(株)三井住友トラスト基礎研究所の調査によると、2016年12月末のJ-REIT、私募ファンドを合わせた市場規模(運用資産額ベース)は約31.1兆円となっている。
過去からの推移を見ると、J-REITはリーマン・ショック以降、伸び悩みが見られたものの、2013年から拡大基調で推移している。
J-REITの銘柄数も順調に増えており、2017年8月末では59銘柄となっている。
一方、私募ファンドについても保有物件の売却を進めたことなどから縮小傾向をたどってきたが、2016年6月末からは4年ぶりに増加に転じている。
物件売却の一巡やマイナス金利政策によりエクイティ投資家の不動産への投資意欲が高まったことが要因として挙げられる。
都内の不動産マーケットでは物件取得が困難な状況が続いており、不動産投資ファンド市場の見通しには不透明感も漂うが、いかに適正価格で物件を取得できるかがポイントとなっている。
また、東証REIT指数については、昨年後半から今年前半にかけては長期金利の上昇などの影響によりやや軟調に推移する局面もあった。
ただ、日銀の金利上昇を抑制する動きや米国の利上げに対する慎重な姿勢などにより底堅く推移していると言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)