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2. 過去業績の推移
ボルテージ (T:3639)が属する業界は、ハードウェア、ソフトウェアの両面で技術的な進化のスピードが速いという特徴がある。
それは同社も含めたプレーヤーにとっては成長機会とふるい落としリスクが背中合わせにあることを意味している。
過去10年の中では、デバイスにおけるフィーチャーフォン(ガラケー)からスマートフォンへの移行や、それに伴う配信プラットフォーム(PF)におけるソーシャル専業PFからOS系PFへの移行、あるいはアプリタイプにおけるWebアプリからネイティブアプリへの移行、といった環境変化が次々と起こった。
そうしたなか同社は、2014年6月期までの数年間において、“OS系ファースト”のスローガンのもと、スマートフォン対応を進めてきた。
同社のようなモバイルコンテンツ・サプライヤーにとって配信プラットフォームやアプリ技術の変化の影響は非常に大きく、変化の波を乗り越えられず淘汰されるサプライヤーも少なくない。
そうしたなかでも同社は、成長率の鈍化はみられたものの、環境変化を乗り切って持続的な売上高の成長を達成してきた。
一方利益については、2012年6月期のピーク利益を更新できない状況が続いている。
ここ数年は利益成長が停滞している同社だが、その原因は、基幹事業である日本語版恋愛ドラマアプリにおいてヒットが出にくくなってきているなかで、次代の成長源として期待した新規事業(サスペンスアプリや海外事業)を立ち上げたものの、収益への寄与が遅れたことにある。
こうした状況のなか、収益を成長軌道に回帰させるために打ち出したのが『3年戦略』であり、2017年6月期を初年度として全社を挙げて取り組んでいるというのが、今現在の同社の状況だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)