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フェローテックホールディングス (T:6890)の主力事業は、真空シール、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC、磁性流体、サーモモジュール、シリコンウェーハ、太陽電池用シリコンなど様々な製品、装置、部品、素材等の製造だが、それ以外にも半導体製造装置メーカー向けに各種部品等の洗浄や受託加工・組立サービスなども行っている。
そのため、世界的な大手半導体製造装置メーカーが主要顧客となっている。
また2018年以降も膨大な設備投資を行う計画であり、今後数年間は世界の半導体市場と同様に同社の動向にも目が離せないだろう。
1. 2018年3月期第2四半期(実績)
2018年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比14.2%増の42,983百万円、営業利益が同33.2%増の4,498百万円、経常利益が同83.0%増の3,857百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が122.5%増の2,299百万円となった。
太陽電池は低迷したものの、世界的な半導体市場の活況を背景に、主力の半導体等装置関連が大幅な増収・増益となり、洗浄やウェーハ加工を行うその他事業も好調であったことから、前年同期比では大幅な増収・増益となった。
2. 2018年3月期通期(予想)
好調な上期の結果を受けて、2018年3月期通期の業績予想は上方修正され、現時点では売上高が前期比15.1%増の85,000百万円(期初予想83,000百万円)、営業利益が同49.7%増の8,500百万円(同7,200百万円)、経常利益が同32.1%増)の7,500百万円(同6,400百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.1%増の4,400百万円(同4,000百万円)が見込まれている。
当分は世界的に半導体不足が続くと予想されていることから、デバイスメーカーの投資が活発であり製造装置メーカーも活況を呈している。
したがって、これら半導体製造装置メーカーを主要顧客とする同社の業績も好調が続くと予想され、この通期予想が達成される可能性は高いだろう。
むしろ今後の動向しだいでは、再度の上方修正もありそうだ。
3. 積極的な拡大計画を推進中
今後数年間で主要製品の生産設備を大幅に増設する計画で、設備投資額は4年間で約700-800億円に上る。
必要資金の一部は中国の地方政府の援助を得られる見込み。
尚、2019年3月期の会社目標は連結売上高1,000億円、営業利益率10%台だが、その後も積極的な設備投資に応じ、増収増益基調で推移し成長が継続する見通しである。
■Key Points
・石英、セラミックス等の無機系製品の大手メーカー。
半導体業界向けが多い
・活況な半導体業界の恩恵を受け2018年3月期は前期比49.7%の営業増益を見込む
・今後数年間で最大約700-800億円程度の設備投資を行う計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)