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コスモ・バイオ Research Memo(7):中期経営計画で事業基盤強化に取り組み

発行済 2018-08-21 16:57
更新済 2018-08-21 17:00
コスモ・バイオ Research Memo(7):中期経営計画で事業基盤強化に取り組み
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■コスモ・バイオ (T:3386)の中長期成長戦略

1. 事業環境
ライフサイエンス研究用試薬の国内市場規模は、主に大学・公的研究機関の公的研究費及び企業の研究開発費で構成され、推定1,000億円程度で推移している。
大学・公的研究機関及び企業におけるライフサイエンスの基礎研究分野の研究開発費は横ばい傾向であり、市場全体としては伸び悩みの状況だ。


ただし、メディカルやライフサイエンスをキーワードとして、再生医療等の新規事業に取り組む化学・素材関連等からの異業種参入企業数が増加傾向である。


2. 中期経営計画で事業基盤強化に取り組み
2017年12月期からの取り組みとして、中期経営計画(2017年12月期−2019年12月期)を策定し、ビジョンには「生命科学の研究者に信頼される事業価値を高める」を掲げている。


市場伸び悩みや円安環境下でも利益を確保する収益構造の確立を目指し、基本戦略には、既存事業基盤の強化(商社機能としての情報力・製品力・提案力の強化、メーカー機能としての自社製品・サービス開発力の強化)、新たな事業基盤の創出(新規事業の創出、資本・業務提携)、企業価値の向上(業務効率化、人事評価制度改革、リスク管理、CSR活動)を掲げている。



新製品・自社ブランド製品や受託サービスを強化
3. 新製品・自社ブランド製品や受託サービスを強化
メーカーとしての開発力強化では、2017年10月に札幌事業所を開設・稼働した。
初代培養細胞(プライマリーセル)製造事業、研究用ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業、2017年8月開始した鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業を強化し、更なる自社ブランド製品・サービスの開発も強化する。


4. エクソソーム研究分野の自社ブランド製品
2016年7月には、塩野義製薬 (T:4507)が所有するエクソソーム検出用モノクローナル抗体の特許権、並びに関連する抗体製品の製造・販売権に関する特許権譲受契約を締結した。
エクソソームは細胞から細胞外に分泌され、血液などを介して遠く離れた細胞まで情報を伝達する。
利用方法としては、エクソソーム内に治療用薬剤を搭載して標的細胞や臓器に薬剤を届けるDDSツールとしての応用が期待される。
また近年では、エクソソームの中に含まれているマイクロRNAが新たなバイオマーカーとして注目され、病気の診断を簡単かつ確実に行える技術の研究・開発が進んでいる。


特許権を譲り受けた本抗体は、簡便に高純度のエクソソームを単離することができ、エクソソーム研究に不可欠とされている。
本抗体を自社製造することで、安定的な抗体の供給、エクソソーム研究に必要な新規試薬の開発を積極推進する。
エクソソーム研究分野の自社ブランド製品を拡充しており、2017年にウシミルクエクソソーム、ELISA、抗体シリーズ、2018年2月にヒト由来エクソソーム測定キットを発売した。


5. ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業は2019年12月期から利益貢献見通し
研究用ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業は2016年12月開始した。
合成ペプチドはライフサイエンスの基礎研究に欠かせない重要な研究ツールの1つとなっている。
2017年12月には(株)Proteomedix Frontiers(PF)と業務提携し、2018年4月AQUAペプチドの配列デザインから合成までの一貫サービスを開始した。


自社製品ブランドの拡販に加えて、既存製品・サービスとのシナジー効果も期待され、2019年12月期から利益貢献の見通しとしている。
またペプチド合成装置を活用して将来的には医薬原体等の製造につなげたいとしている。


6. ヒトインターフェロンβタンパク質は2019年に上市予定
鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業は、新たなビジネスモデルへの投資と位置付けている。
テーマ「鶏卵バイオリアクターを用いた組換えヒトサイトカイン試薬製造」が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2016年度「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」に採択され、2017年8月には、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)及び国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)から、ヒトインターフェロンβタンパク質の製造に関する特許実施許諾を受ける契約を締結した。


そして2018年7月9日には産総研が、卵白に有用組換えタンパク質を大量に含む卵を産む遺伝子改変ニワトリを作製する技術の開発を発表した。
特許実施許諾に基づいて、鶏卵をバイオリアクターとしたゲノム編集技術によるタンパク質製造でヒトインターフェロンβタンパク質の製造方法を確立し、2019年に研究用試薬として上市する予定だ。


7. 新たな事業基盤創出に向けた取り組み強化
新たな事業基盤の創出(新規事業の創出、資本・業務提携)に向けた取り組みも強化している。


2018年4月には、生体内の標的とするタンパク質の分解を誘導することにより新規医薬品の研究開発を行うファイメクスに出資した。
ファイメクスは、武田薬品工業のアントレプレナーシップベンチャープログラムによって2018年1月に設立されたカーブアウトベンチャーである。


2018年6月には、メスキュージェナシス(株)(MJ)とペプチド創薬事業に関して業務提携した。
MJが自社創薬のために設計するペプチドライブラリの合成を受託し、また、MJが行うペプチド創薬サービスの販売を行うことでペプチド創薬事業において新たな事業展開を目指す。
なおMJは、産総研発ベンチャーのメスキュー(株)とジェナシス(株)が2017年合併して設立された。


また、2018年6月には学校法人麻布獣医学園と、麻布獣医学園の出願特許「アミロイドタンパク質を抽出する試薬」に関する実施許諾契約を締結した。
アミロイドという線維構造を持つタンパク質だけを選別して抽出できる画期的な技術であり、本技術を用いてアルツハイマー病などの研究に極めて重要なツールを提供する。


また、2018年6月には学校法人麻布獣医学園と、麻布獣医学園の出願特許「アミロイドタンパク質を抽出する試薬」に関する実施許諾契約を締結した。
アミロイドという線維構造を持つタンパク質だけを選別して抽出できる画期的な技術であり、本技術を用いてアルツハイマー病などの研究に極めて重要なツールを提供する。


8. 企業価値向上に向けた取り組み強化
企業価値向上に向けた取り組みでは、業務の効率化、人事評価制度改革による就業意欲の向上と事業の成長、リスク管理の徹底、積極的なCSR活動などを推進している。


CSR活動は、大学等が行う公開講座に協賛する「公開講座応援団」、米国マサチューセッツ工科大学で毎年行われている「iGEM生物ロボットコンテスト」参加日本チームへの支援、米国科学振興協会が発行する「Science Signaling」日本語サイトの運営、食道から大腸まで子供が潜り抜けられるトンネル構造模型「消化管体験ツアー」などを行っている。



自社ブランド製品・サービスで中長期的に収益拡大期待
9. 自社ブランド製品・サービスで中期的に収益拡大期待
市場伸び悩みや円安環境下でも、高付加価値かつ為替に利益が左右されない自社ブランド製品・サービスなどによる既存事業基盤の強化、新規事業基盤の創出などで高収益化を目指す方針だ。
研究用ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業の拡大に加えて、鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業、ペプチド創薬事業における新たな事業展開、アミロイドタンパク質抽出技術の特許実施許諾契約など成長分野への展開に向けた布石を着実に打っている。
中期的に収益拡大が期待される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

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