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トライSTG Research Memo(1):積極投資と海外事業の減損損失計上で2019年2月期業績は下方修正に

発行済 2018-10-29 15:01
更新済 2018-10-29 15:20
トライSTG Research Memo(1):積極投資と海外事業の減損損失計上で2019年2月期業績は下方修正に
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■要約

トライステージ (T:2178)は、通販事業者に対して主にテレビ放送番組枠を使ったダイレクトマーケティング支援事業を手掛け、テレビ通販の放送枠では業界トップシェアを握る。
子会社でDM事業を展開するほか、2017年2月期にはM&Aで東南アジアのダイレクトマーケティング企業を子会社化、2017年3月には国内でWeb広告事業を展開する(株)アドフレックス・コミュニケーションズ(以下、アドフレックス)を子会社化するなどM&Aを実施し、事業領域の拡大を図っている。


1. 2019年2月期第2四半期累計業績の概要
2019年2月期第2四半期累計(2018年3月-8月)の連結業績は、売上高で前年同期比1.0%減の27,538百万円、営業利益で同29.7%減の389百万円と減収減益となった。
主力のテレビ事業が減収減益となったほか、海外事業や通販事業の損失が拡大したことによる。
ただ、期初計画(売上高26,484百万円、営業利益298百万円)に対してはテレビ事業やDM事業が上振れて着地している。
一方、海外子会社の収益が当初想定していた水準を下回って推移していることから、今回、のれんを中心に固定資産の減損損失で962百万円を計上したほか、持分法適用関連会社であるタイのTV Direct(以下、TVD)の株価下落で持分法投資損失544百万円を計上し、この結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,340百万円(前年同期は194百万円の損失)に拡大した。


2. 2019年2月期業績見通し
2019年2月期の連結業績は、売上高で前期比3.9%減の53,601百万円、営業利益で同47.9%減の537百万円と期初計画(売上高54,786百万円、営業利益830百万円)から下方修正した。
売上高についてはテレビ事業において一部の既存クライアントの出稿意欲が低下しており、補完する新規クライアントが現時点では見込まれていないこと、営業利益ではWeb事業拡大のための人材投資を約200百万円上積みすることに加えて、海外子会社の営業利益が約110百万円下振れすることが主因となっている。
同社では収益回復施策として、国内のテレビ事業では引き続き仕入適正化や業務効率化による粗利益率の改善と新規クライアントの開拓に注力していく。
Web事業では2018年9月にリスティング広告自動最適化サービス「AdScale(アドスケール)」の提供を開始するなどサービスラインナップの拡充と営業体制強化を図ることで、高成長を実現していく方針だ。
また、海外事業については選択と集中を含め事業戦略を今期末までに再構築していく方針を示している。
このため、2018年春に発表した3ヶ年中期経営計画についても見直す予定だ。
なお、中期経営計画のグループビジョンである「ダイレクトマーケティングからダイレクトデータマーケティング(以下、DDM)へ」の実現に向けたDDM基盤システム構築については計画どおり進んでいる。
同システムは顧客企業が保有するカスタマーデータと同社が保有する広告情報(テレビ・ラジオ、Web広告)等を統合・分析することで最適なマーケティング施策を実現するシステムで、ここ数年の課題であったテレビとWebを組み合わせたクロスメディア戦略の対応も可能となる。
2021年2月期以降の本格稼働を目標としている。


3. 株主還元策
同社は株主還元として配当のほか株主優待を実施している。
配当については業績・財務状況を勘案して柔軟に対応していく方針とし、2019年2月期は1株当たり7.0円を予定している。
また、株主優待については、400株以上2,000株未満の株主に対して1,000円相当、2,000株以上保有の株主に対しては、5,000円相当のQUOカードを年2回(2月末、8月末株主)贈呈する。
配当金とQUOカードを合わせた年間投資利回り(400株保有株主)は、現在の株価水準(2018年10月12日終値337円)で計算すると3.6%の水準となる。


■Key Points
・ダイレクトマーケティング支援事業が主力、M&Aにより業容を拡大中
・2019年2月期第2四半期累計の営業利益は期初計画を上回ったものの、海外子会社の減損損失計上により四半期純損失は拡大
・Web事業でAIを活用したリスティング広告の自動最適化プラットフォーム「AdScale」の提供を開始、高成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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